服部慶子 (Keiko Hattori)


3歳よりピアノを始める。1990年フィンランドにて行われた第19回国際音楽教育協会(ISME)世界会議での演奏会に出演。

東京藝術大学附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学を卒業。その後(財)ロームミュージックファンデーション奨学生としてザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学大学院(オーストリア)にて故・カール=ハインツ・ケマーリング教授に師事し、最優秀の成績で卒業。引き続きオーストリアを拠点に置き、ヨーロッパや日本で活躍している。

その演奏は、「クリスタルのタッチ」「成熟した深みのある輝かしい演奏解釈」
「幽玄精妙な天上の響き」「力強く、明瞭かつ熟考された演奏」などヨーロッパの各紙で高い評価を得ている。またウィーン・ムジークフェライン、リンツ・ブルックナーハウス(オーストリア)、ベルリン・コンチェルトハウス、ハンブルグ・ムジークハレ、ケルン・フィルハーモニー、ボン・ベートーヴェンハレ、ミュンヘン・ヘラクレスザール、ニュルンベルグ・マイスタージンガーハレ、ストゥットガルト・リーダーハレ(ドイツ)、サントリーホールや紀尾井ホールなど国内外の主要ホールで演奏、著名な音楽祭やコンサートシリーズ(ボン国際ベートーヴェン音楽祭、ルール・ピアノフェスティバル、ボーデン湖国際音楽祭、若い巨匠のためのリンダウ国際音楽祭、ピアノフォルテフェスト・マイセン、ラインランド=プファルツ文化の夏音楽祭、アイフェル・モーツァルト週間、グムンデン芸術週間、ザルツブルグ・ミラベル宮殿、ウィーン・レオポルト美術館、ザンクト・レオンハルト夏の音楽祭、ムジカ・イン・カステッロ音楽祭、モンセラート国際室内楽音楽祭、サンタ・クリスティーナ・ダロ国際室内楽音楽祭、マーチ・ミュージック・デイズ国際音楽祭、名古屋・中日信用金庫室内楽シリーズ「ちゅうしんコンサート」、日本演奏連盟主催演連コンサート、八ヶ岳・北杜国際音楽祭など)にも招聘され、出演を重ねている。

 

受賞歴:

第17回シューベルト国際音楽コンクールにて全部門(ピアノソロ、リート
デュオ、室内楽)総合優勝

第12回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ウィーン)にてディプロマ受賞
第8回ケルン国際ピアノコンクールにて最優秀モーツァルト演奏賞を受賞

ドイツ・ツヴィッカウのロベルト・シューマン協会よりシューマン賞を受賞
第61回ジュネーヴ国際音楽コンクールピアノ部門にて特別賞を受賞

第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)にて、第2位併せて聴衆賞、最優秀室内楽演奏賞、最優秀現代作品演奏賞など全ての特別賞を受賞

 

ヴィルヘルム・ケンプ文化財団より招聘を受けイタリア・ポジターノにてベートーヴェン特別集中解釈講座を受講する等、ベートーヴェンやシューベルトおよび彼らと同時代の作曲家の作品研究に重点を置いている。オーストリアの民俗音楽や舞踊の要素を踏まえた的確な解釈と多彩な音色を生かした響きの追求には、各方面から定評がある。

これまでにWDRケルン放送管弦楽団やベートーヴェン・オーケストラ・ボン、南西ドイツ・プフォルツハイム室内管弦楽団、ボン・クラシック・フィルハーモニー管弦楽団、バルト・フィルハーモニー管弦楽団、ポーランド国立チェンストホーヴァ・フィルハーモニー管弦楽団、カタール・フィルハーモニー管弦楽団などと協演、また室内楽ではシュテファン・ピカール(Vn.)、マルクス・トマジ(Vn.)、クリスティーネ=マリア・ヘラ―(Vn.)、ユーリ・レヴィッチ(Vn.)、ミッシャ・マイスキー(Vc.)、ハリエット・クリーフ(Vc.)、マティアス・ヨハンゼン(Vc.)、アレックス・ラートシュテッター(Cl.)、フリーデマン・ヴットゥケ(Gt.)、谷辺昌央(Gt.)、アサセッロ弦楽四重奏団などと共演している。NHK-FM「名曲リサイタル」、テレビ朝日、オーストリアやドイツ、スペインの国営放送等へラジオおよびTV出演。ドイツ、オーストリア、スペインのレーベルよりこれまでに3枚のアルバムをリリースしている。

2004年にはザルツブルグにて「Pamina Trio」(ヴァイオリン:北門郁子、クラリ
ネット:ベアトリス・ロペス)を結成、音楽祭出演やリサイタル、コンサートツアーの他、ラジオやTV出演などその活動は国内外で好評を博している。またPamina Trioでも第7回ヴィナロス国際室内楽コンクール(スペイン)にて優勝、第5回
マルコ・フィオリンド国際音楽コンクール(イタリア)室内楽部門にて審査員満場一致で優勝、第5回ラス・コルツ国際音楽コンクール(スペイン)室内楽部門
にて審査員満場一致にて優勝、第12回カルロ・ソリヴァ国際室内楽コンクール(イタリア)にて第3位を受賞している。

演奏活動の傍ら、現在オーストリアのオーバーエステライヒ州立音楽学校で教鞭を執り、国内外でマスタークラスやワークショップを行うなど後進の指導にも力を注いでいる。