2022/03  Badische Zeitung紙
ヴァルツフート市立ホールでのリサイタル批評 (ドイツ)

「ピアニストがすべての感覚を目覚めさせる — 服部慶子さんのピアノ演奏は、ヴァルツフート市立ホールの聴衆を情熱と深みに満ちた音の世界へ連れていく」

ピアノ音楽や作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのファンにとって、大きなコンサートとなった。服部慶子さんは月曜夜、ベートーヴェンの3つの有名なピアノソナタ「悲愴」「月光」「熱情」によってホールの聴衆たちを魔法にかけ、クリアで力強い演奏によって、ダイナミクス、濃密さ、予測不可能な緊張感に満ちたベートーヴェンの音の世界に引き込んだ。
彼女はベートーヴェンが1798年から1805年の間に作曲したこれらのソナタの持つ巨大な表現力を、また優雅さと超絶技巧で伝えた。音楽を「ただ」聞くだけでなく、彼女によって引き込まれるのを受け入れ、何より不協和音や音響の噴火によって引き起こされる情景や感情を受け入れる— 服部慶子さんはそれを可能にした。白黒の鍵盤から紡ぎだされる音はたっぷりとしたボリュームがあり、空間をいっぱいに満たし、時折彼女が2つ以上の手を持っているかのように聞こえた。
音楽を受け入れた聴衆はすべての感覚を呼び覚まされ、平静を取り戻す時間は稀であった— それがたとえ物悲しくメランコリーな雰囲気をたたえた月光ソナタのゆったりとした第1楽章であっても、非常に素晴らしい時間だった。「熱情ソナタ」第3楽章の情熱的かつ野性的なサウンドカスケードで、公式なリサイタルプログラムは終了した。アンコールに服部慶子さんはフランツ・リストの「愛の夢」を感情豊かに演奏した。
盛大な拍手とブラボーの歓声が、東京とザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学で研鑽を積み、著名なコンクールで賞を獲得し国際的な舞台で活躍するこの日本人女性ピアニストに送られた。ここヴァルツフートでも彼女は強い印象を残した。

Ursula Freudig氏)

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2019/01  Schwäbische Zeitung紙
「ハーグナウアー・クラシック」シリーズ (ドイツ)
ボーデン湖畔ハーグナウ 市庁舎ロココザールでのリサイタル批評

「ベートーヴェン、スタインウェイ、服部 ―― 『ハーグナウアー・クラシック』シリーズが古の巨匠、新しいグランドピアノと若い女性ピアニストで聴衆を熱狂させる」

(中略)元ハーグナウ町長のシモン・ブリュムケと共に13年前「ハーグナウアー・クラシック」シリーズを創設したユーバーリンゲン出身の音楽監督ゲオルグ・マイス氏は、新しいスタインウェイ製コンサートグランドピアノが日本人女性ピアニスト服部慶子さんの大晦日のリサイタルに間に合って調達されたことを熱狂的に喜んだ。
(中略)市庁舎のロココザールは、ハーグナウのコンサートグランドピアノの『初披露』をピアニスト服部慶子さんによるベートーヴェンの演奏で体験しようと、約150人の聴衆で満員であった。ザルツブルグ在住の芸術家は、ベートーヴェンのピアノソナタにおいて最も重要かつ難解とされる3つのソナタ(第8番、第14番、第23番)を、この特別なコンサートに選んだ。「悲愴」ソナタはゆっくりと繊細に始まり、服部さんの力強いタッチに溶け込む。柔らかく感情豊かに第2楽章「アダージョ・カンタービレ」が奏され、第3楽章ロンドは先の両楽章の統合として速いテンポで演奏された。
「月光ソナタ」は優しく響く。聴き手はこのピアニストの手によって秘密めいた夜へ連れて行ってもらいたい感情に襲われる。2楽章は鍵盤上を駆け巡る乗馬による散歩となる。服部さんは瞬間や目下の響きに集中し、哀愁を帯びずに演奏する。正確にテンポの急変が起こるが、服部さんは楽譜を弾き飛ばすことなく、明確にそれぞれの音にアクセントを付けていく。これは「アパッショナータ」ソナタにも当てはまる。
彼女はいつも心の眼でページをめくる必要のない楽譜を見ているように映り、上を見つめる眼差しはまるで天からシグナルを受け取り、素晴らしい両手に送り届けているかのように見受けられた。「彼女が来る時はいつも音楽を心から愉しんでいる」とマイス氏は語り、聴衆もまったく同じように感じているようだった。アンコールに演奏されたシューベルトの即興曲変ト長調では、ほとんどの聴衆が目を閉じ一年を心の中で振り返っていた。

Gudrun Schäfer-Burmeister氏)

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2018/11  第6回アイフェル・モーツァルト週間音楽祭 (ドイツ)
ビットブルグ ハウス・ベーダでのリサイタル批評

「ベートーヴェンは生きている ―― 服部慶子さんが『新約聖書』で聴衆を確信させる」

演奏会は、どの聴衆にとっても忘れられない特別なものとなった。(中略)服部慶子さんはベートーヴェンの筆による32曲のピアノソナタの中から3曲を選び、コンサートホールを恍惚の状態に導いた。すでに開始の和音を聴いて、なぜ服部慶子さんが有名なボン国際ベートーヴェンコンクールで数々の賞を勝ち取ったかを最後列の聴衆でも理解することができた。(中略)この優れたピアニストは、ハウス・ベーダでピアノソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」を輝かしく演奏した。楽譜をまったく用いることなく、服部さんはこの作品に新たな命を吹き込んだ。まさにこの音楽祭の芸術監督が「今晩は至高の音楽を聴く」と約束したとおりであり、聴衆はただただ音楽と融合し、精神を音楽の流れに委ねる至福の時間を過ごしたのだった。「月光ソナタ」(ピアノソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2)の演奏で、彼女は言葉を失った聴衆をさらに熱狂させ、熱烈な音楽愛好家である聴衆の一人は「月光ソナタのこれほどの演奏を聴いたのは初めてだ」と語り、他の聴衆たちは楽章の途中で拍手を送りたい気持ちを必死に我慢しなければならないほどであった。11月25日のハウス・ベーダでのこのような経験は、そう簡単に起こりうるものではなかった。この革新的なベートーヴェンの32曲のピアノソナタを、芸術監督であるゲオルグ・マイス教授は演奏会の冒頭に行った解説で音楽史の「新約聖書」と呼んだのだが、聴衆は遅くともこの段になりその真の意味を理解したのだった。第2部ではピアノソナタ第23番ヘ短調作品57「熱情」が演奏され、ここで最終的にほとんどの聴衆が彼女の優れた芸術に掌握された。ブラボーの声と熱狂的な拍手が惜しみなく送られ、聴衆の一人は「天国にいるベートーヴェンが私たち聴衆と共に素晴らしいピアニストに賛辞を送っているに違いない」と確信をもって述べた。

Sabine Krösser氏)

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2018/11  第6回アイフェル・モーツァルト週間音楽祭 (ドイツ)
マールベルグ城 デュオリサイタル批評

「日本の精巧な演奏芸術 ―― 北門さんと服部さんがマールベルグ城にてモーツァルトとシューベルトで光彩を放つ」

北門郁子さん(ヴァイオリン)と服部慶子さん(ピアノ)が、趣味よく選ばれたモーツァルトとシューベルトの作品で輝かしい演奏会を行った。現在トリアー市立劇場フィルハーモニーオーケストラのコンサートミストレスである北門さんと、共に世界的に有名なザルツブルグ・モーツァルテウム音大で研鑽を積んだ服部さんという2人の非常に優れた芸術家が、マールベルグ城の並外れた雰囲気の中で演奏した。マールベルグ城の聴衆はモーツァルトの変ロ長調のヴァイオリンソナタ(K.454)の喜びに満ちた音楽に陶酔し、彼女たちの透明さと緊張感あふれる構築性はどのようなモーツァルト愛好家をも確信させた。(中略)
演奏会の第2部はシューベルトのヴァイオリンソナタ ニ長調(D384)で始まった。すでにヨーロッパや日本のほぼ全ての主要コンサートホールで精巧なピアノ演奏芸術で聴衆を魅了し、数々の国際的に著名なコンクールで受賞している日本人ピアニストと、パミーナ・トリオとしても数多くの受賞歴を誇るヴァイオリニストの2人が、この並外れて卓越した室内楽演奏会の最後に、高いヴィルトゥオジティと眩い光に満ちたヴァイオリンとピアノのための幻想曲ハ長調を演奏した。アレグレットで服部さんの指が鍵盤上を縦横無尽に駆け回る様は、観察している者がめまいを覚えるほどで、聴衆に鳥肌が立つような感覚を起こさせた。(中略)1800年を取り巻く時代のウィーンで生まれた類稀なる室内楽作品によるマールベルグ城での演奏会は、心底満足した聴衆たちからブラボーの声を引き出し、2人の真の音楽家たちによるアンコールはまさに当然のように演奏されたのだった。

Sabine Krösser氏)

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2018/11  Südkurier紙 (ドイツ)
「シュトックアッハ・マイスターコンサート」シリーズでのデュオリサイタル批評

「マイスターコンサートシリーズでの次のハイライト」

ヴァイオリニスト北門郁子さんとピアニスト服部慶子さんが市民ホールにてモーツァルトとシューベルトの作品を演奏し、室内楽を極上の対話に仕上げた。(中略)日本生まれの彼女たちは、2人ともザルツブルグのモーツァルテウム音楽大学で研鑽を積んだ。
演奏会はW.A.モーツァルトのヴァイオリンソナタト長調で始まり、息のぴったり合ったデュオの抒情的な着想の豊かさで形作られた。ケッヘル番号454のソナタは、私的な演奏を前提とされたト長調とは打って変わり、並外れた技巧の高い演奏家のために作曲されている。対比の豊かなゆっくりな前奏の後に多彩なアレグロが幕を開け、ヴァイオリンとピアノが趣向に富んだ優美な音色の掛け合いをした。特に心を打ったのは、メランコリックで調和のとれた表情豊かなアンダンテだった。(中略)北門郁子さんと服部慶子さんはインスピレーションに富んだ傑作をフレッシュな雄弁さで演奏した。
この演奏会のプログラムの目玉は、演奏者の輝かしいヴィルトゥオジティと音楽の構築力が最高レベルで要求される、特に内容の充実したシューベルトの長大なヴァイオリンとピアノのための幻想曲であった。この作品において、ピアニストは吟味された響きの構築により、ヴァイオリンで感銘深い緊張感を形成する支えをしていた。盛大な拍手に応え、ショパンのノクターン(ミルステイン編曲)が心に染み入るように演奏された。

Gabi Rieger氏)

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2018/01  Südkurier紙 (ドイツ)
ボーデン湖畔メーアスブルグ ディナーコンサート批評

「メーアスブルグのアウグスティヌムで行われたシューベルトの夕べが、彼の人物像、音楽、時代を明らかにした」

国際的に知られるドイツ人指揮者ゲオルグ・マイス氏がこの作曲家を紹介し、ザルツブルグのピアニスト服部慶子さんが彼の作品を演奏した。シューベルトの夕べの聴衆には、シューベルトの生きていた時代に即したコースメニューの食事がふるまわれた――もちろん「鱒」も含まれていた。(中略)
マイス氏の目的は、この作曲家を典型的なビーダ―マイヤー時代のイメージから開放することである。「これほど間違いだらけの常套句に彩られた芸術家の伝記もあまりない」とマイス氏は言う。メッテルニヒ下のオーストリア警察国家は文学や音楽を検閲した。革命や復興運動に落胆した人の多くは、それゆえに家庭での音楽(ハウスムジーク)に移行するようになった。シューベルトの友人たちは彼らの家々で「シューベルティアーデ」を開催した。「この催しが政治的、文化的、また音楽的に高度な意味を持つものであったと想像しなければならない」とマイス氏は語る。
ザルツブルグのピアニスト服部慶子さんはこうしたシューベルトに対する見方を音楽で支持する。過度にロマン主義に浸ることなく、選ばれた作品をエネルギッシュに、明瞭に優美に演奏した。即興曲の音の連なりはガラスのように透明で、彼女の指からは「鱒」の水滴がきらきらと瞬き、「菩提樹」や「糸を紡ぐグレートヒェン」などの歌曲を彼女は写実的に演奏した。

Corinna Raupach氏)

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2017/10 Mainpost紙 (ドイツ)
ドイツ人作曲家A. ヴォルペルト生誕100年記念式典コンサート 批評

「ドイツ人作曲家ヴォルペルトの作品に対する感嘆」

著名な作曲家かつ音楽学者の生誕100年をどのように讃えるか?もちろん彼の作品によるコンサートで:フランツ・アルフォンス・ヴォルペルト作曲のピアノソナタニ短調作品21を、国際コンクールで数々の賞歴を持つピアニスト服部慶子さんが見事に演奏した。1917年10月11日、今から100年前、フランツ・アルフォンス・ヴォルペルトはヴュルツブルグ近郊ヴィーゼントハイドで生まれた。生誕地の歴史的な教区館ホールで盛大な祝典が行われるのも必然である。数多くの来賓、この作曲家の親戚、友人、生前に関わりのあった人々が2017年10月11日(水)彼の生誕を祝うために集まった。(中略) このピアノソナタについて出版社の注釈では「高難度」と記されているが、卓越した日本人ピアニスト服部慶子さんはこのソナタを全くもって自然に理解し解釈していた。(中略)この若い女性ピアニストは華奢な体つきながら、驚くほど力強くダイナミックに、そして感動的に演奏した。踊るように軽快に演奏された第3楽章では、様々な音色の変化が心地よく聞き取れた。そして、作曲家ヴォルペルトが生前敬愛していたフランツ・シューベルトの作品が続いた。素晴らしく感情豊かに即興曲変ト長調作品90-3が演奏された。

Elisabeth Versl-Waag氏)

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2017/01  Südkurier紙 (ドイツ)
ボーデン湖畔ハーグナウ ジルヴェスターコンサート批評

「巧みに、チャーミングに、軽快に」

2016年ももう終わりを迎えようとしている中、ハーグナウでのジルヴェスターコンサートは毎年大晦日恒例のイベントである。市庁舎内ラインハルト・セバスチャン・ツィマーマン・ザールでの今年のコンサートのゲストは、ソプラノ歌手渡辺美智子さんとピアニスト服部慶子さん。2人とも日本人で現在はザルツブルグに在住、すでに彼らの卓越した音楽能力によって長年聴衆を魅了している。(中略)
ハーグナウでの大晦日にぴったりなヨハン・シュトラウスのオペレッタ「ヴェネチアの一夜」のアリア「ほろ酔いの歌」は、彼女たちの喜劇的な演劇の才能を投入するいい機会であった。優れた演奏を披露したピアニスト服部慶子さんは、パートナーと一緒にではなく一人で舞台に上がった。ピアノに向かい、パートナーを探すように周りを見渡すが、パートナーの姿はどこにもなく、がっかりしたように肩をすくめて響き豊かな演奏を開始した。するとホールのドアがもう一度バタンと開き、渡辺美智子さんが舞台に戻ってきた ―― 手にはシャンパンのボトルとグラス。巧みに歌い、聴衆の中をチャーミングに軽快に動き回る。ウィンクでシャンパンの弾むような効果を表現しながら、彼女は美しく豊かな声量で歌い上げた。
媚びるような、しかし卓越した渡辺さんの声がモーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」のアリア「岩のように動かず」の最後の行を歌い終えた時、一人の聴衆が思わず「ワオ!」と叫んだ。「素晴らしい」と、ブレゲンツからこのコンサートを聴きに訪れた家族は、終演後興奮してそう語った。「去年もここハーグナウでジルベスターコンサートを聴いた。来年も必ず来るだろう」と。

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2014/07 Fanfare - The Magazine for Serious Record Collectors誌 (アメリカ)
クラリネット奏者アレックス・ラートシュテッタ―氏とのデュオCD批評

「とても興味深いプログラム構成である。ブラームスの2つのクラリネットソナタに挟まれた形で、アルバン・ベルクと2人の現代オーストリア人作曲家の作品が収録されている。ブラームスの作品が成立してからわずか25年後に書かれたにも関わらず、ベルクの『4つの小品』は音楽言語上、他の2つの現代作品と共通する多くの要素を持っている。
オーストリア人クラリネット奏者アレックス・ラートシュテッター氏は、ブラームスの2つのソナタを安定した魅力的な音色と見事なコントロールで演奏している。両方のソナタにおける解釈は上品で控えめである。変ホ長調のソナタでは率直な演奏解釈を聞かせ、堅苦しさは微塵もない。(中略)録音は広々とした空間で行われ、良くバランスがとれている。ベルクの格言的な小品では非常に説得力のある演奏を披露している。
ヘルベルト・ヴィリ(1956年~)が1985年に作曲した6分のクラリネット独奏作品はジャズ的要素が所々に聞かれ、どこかストラヴィンスキーの「3つの小品」の最初のものを彷彿とさせる。ラートシュテッター氏はこの作品を、クラリネットの持つすべてのダイナミクスと音色を駆使して演奏している。ゲルノット・ヴォルフガング(1957年~)は現在ロサンゼルスを拠点に活躍するオーストリア人作曲家であるが、彼の『クラリネットとピアノのためのオープン・スペーシズ』はアメリカ西部地域のような広大な空間を旋律における大きな間隔によって喚起しようとしている。この作品は2013年にラートシュテッター氏に献呈され、ジャズの要素や新ウィーン楽派、メシアン的要素を包括している。創意に富み、頻繁に現れる2つの楽器のユニゾンの演奏が難しいこの作品を、ラートシュテッター氏と日本人ピアニスト服部慶子さんはとても巧みに演奏している。
この録音は従来の優れたクラリネット音楽作品の愛好家だけでなく、現代クラリネット音楽作品のコレクターにも最大の関心を呼び起こす推薦盤である。」

Richard A. Kaplan氏)

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2014/03  NEUE - Vorarlberger Tageszeitung紙 (オーストリア)
クラリネット奏者アレックス・ラートシュテッタ―氏とのデュオCD批評

「フォアアールベルグ州の音楽ファンにとって、1983年ブレゲンツ生まれのクラリネット奏者アレックス・ラートシュテッター氏はすでに名の知られた存在である。(中略)このたび彼のデビューとなるCDがリリースされたわけだが、CDにおいても彼の大変個性に富んだ特徴が聞き取れる。ブラームスの2つのクラリネットソナタに挟まれた形で、このCDでは20・21世紀の作品3曲が披露されている。すでに冒頭のブラームスにおいて素朴でしなやかな、かつ歌心にあふれたクラリネットの質感に気付かされ、力強くピアノ・パートを奏する服部慶子さんとの真の対話が繰り広げられる。ヘ短調ソナタのスケルツォではクラリネットの民俗音楽的な音により、モーツァルト以前にはクラリネットが舞踊の伴奏音楽に使われていたことを思い起こさせる。このCDの中心に置かれているのは、アルバン・ベルクの作品5に続く現代に生きる作曲家の作品だ。(中略)アレックス・ラートシュテッター氏と服部慶子さんはこのCDにより、今日洪水のように巷にあふれるCDリリースの中にあっても、自身の明確な個性を指し示すことができることを証明している。」

Anna Mika氏)

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2014/02  Vorarlberger Nachrichten紙 (オーストリア)
クラリネット奏者アレックス・ラートシュテッタ―氏とのデュオCD批評

「アルバム:『オープン・スペーシズ』 ― クラリネット奏者ラートシュテッター氏は長年フォアアールベルグ州の音楽シーンで重要な地位を占めている。今回のデビューCDは彼の音楽への理解力と同様に非常に多彩であり、ピアニスト服部慶子さんによって理想的に支えられている。ブラームスの2つのクラリネット・ソナタでは、古典的なパラメーターの範疇で多様な表現力と響きの美しさが光る。アルバン・ベルクやヘルベルト・ヴィリの作品、チロル出身のゲルノット・ヴォルフガング作曲の独創的な『オープン・スペーシズ』では、クラリネットの滑らかな歌唱と叙情性の間でエキサイティングな魅力が聴かれる。」

Fritz Jurmann氏)

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2014/01  音楽雑誌「Zeitschrift für Kultur und Gesellschaft」 (オーストリア)
オーストリア国営放送ORF フォアアールベルク放送局スタジオでの
CDプレゼンテーション批評
(クラリネット奏者アレックス・ラートシュテッタ―氏との共演)

「個性的、開放的かつプロフェッショナル ―― クラリネット奏者アレックス・ラートシュテッター氏とピアニスト服部慶子さんによるデュオのデビューアルバムが、細部への豊かな感受性とともに披露された。(中略)オーストリア国営放送局ORFでのCDプレゼンテーションにおいて、2人の音楽家は大変魅力的に様々な音楽的空間を作り上げた。「オープン・スペーシズ」というモットーで、彼らはブラームス、ヘルベルト・ヴィリやアルバン・ベルクの作品、そしてゲルノット・ヴォルフガングがこのアルバムのために書き下ろし、アルバムのタイトルにもなっている作品「オープン・スペーシズ」を世界初演した。(中略)服部慶子さんはこのクラリネット奏者にふさわしい、素晴らしく卓越したパートナーだった。彼女は確信に満ちて対等にわたりあいながらピアノ・パートを演奏し、クラリネット・パートの表現内容を理想的に補足した。」

Silvia Thurner氏)

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2013/01  暁学園 学園報 Vol.219
「海外で活躍する卒業生」寄稿記事 「困難を生き抜く力」

オーストリアに住んで13年目を迎えました。日本とは違い、様々な民族と多言語が共存するヨーロッパにはあらゆる信条と価値観が溢れています。多様な社会環境では殊更たくましく柔軟に生きていく術、自分のアイデンティティに誇りを持った振舞い、また自己表現に十分な語学力と語彙力が求められます。学校の勉強とはいわば、将来待ち受ける困難な状況でも生き抜く知恵と原動力を生み出すための「知識の引き出し」作りです。その引き出しは多ければ多いほど、特に自分が外国人という弱い存在になった時、困難な事態を切り抜けるのに活躍する有能で心強い武器になります。またあらゆる教科の知識は、暗示的で全ての学問の要素を包括する音楽という分野を極めるのにも大いに役立っています。
私が将来の見通しにようやく手応えを感じられたのは、渡欧後7年も経った頃。幼少からピアニストになる夢に向かって邁進してきた私が、初めて立ち止まり自身と冷静に向き合った大切な7年間でした。利己的で自己満足な職業観や音楽における価値観、メソードを根底から覆され、ピアノが全く弾けない時期も経験しました。その暗闇の中、原点である音楽を愛する想いと自分でこの道を選んだことへの強い責任感が私を後押し、音楽家の最も大切な責務は社会貢献なのだと気づかせてくれたのです。作曲家と聴き手の架け橋となり、音楽を通して世界中の聴き手の人生の転機となるような記憶に深く刻まれる特別な体験を提供するという、人生を賭けて取り組む価値のある仕事に巡り会えた瞬間でした。
人生に苦労はつきものです。登山中、頂上を見据え広がる絶景を夢見ていれば苦労を厭わないのと同様に、人生の目的と到達点を常に見据えていれば自分がその実現のために今すべきことが自然にわかり、生き甲斐を持って希望を失わず困難にも果敢に挑むことができるはずです。混沌とした世の中を打ち破る新たな価値観と生き方が求められている今、自らの力で道を切り開き困難を生き抜けるたくましくしなやかな人材がこの暁学園から数多く巣立ち、世界を舞台に活躍することを願っています。

【プロフィール】 3歳よりピアノを始める。暁学園中学校、東京藝大附属音楽高校を経て東京藝術大学を卒業。その後ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学大学院にて研鑚を積み、最優秀の成績で卒業。引き続きオーストリアを拠点にヨーロッパや日本で活躍している。シューベルト国際コンクール優勝、ボン国際ベートーヴェンコンクール第2位、ジュネーヴ国際コンクール特別賞など受賞多数。これまでにソロや室内楽、オーケストラとの協演により国内外の主要なホールや著名な音楽祭で演奏、またNHK-FM「名曲リサイタル」、テレビ朝日、オーストリアやドイツ、スペインの国営放送等へTV及びラジオ出演。ベートーヴェンとシューベルトを敬愛し、オーストリアの民俗音楽の要素を踏まえた的確な解釈と多彩な音色を駆使した流麗な演奏には各方面から定評がある。 http://www.keiko-hattori.com/

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2012/02  Vorarlberger Nachrichten紙 (オーストリア)
ブレゲンツ テアター・コスモスでのデュオリサイタル批評
(クラリネット奏者アレックス・ラートシュテッタ―氏との共演)

「新進気鋭の若手演奏家による室内楽コンサート」のモットーで、ブレゲンツ出身の若手クラリネット奏者アレックス・ラートシュテッタ―氏による興味深く極上のクラリネット作品のプログラムを聴くために、大勢の選り抜きの聴衆がテアター・コスモスに詰めかけた。先述すると、傑出したコンサート体験であった。(中略)アレックス・ラートシュテッタ―氏は遠く離れたウィーンより、まったく並外れて優れた女性ピアニストのパートナーと共に故郷ブレゲンツへ戻ってきた。彼女の繊細さと感情表現の豊かさは、伴奏として想像できる限りほぼ最上級のものに属していた。この素晴らしいピアニストというのは、日本での研鑽後他でもない卓越したケマーリング教授のもとザルツブルグの音楽院で学んだ服部慶子さんのことである。
想像を絶するほどの安定感で、2人の演奏家はマルティヌーのソナチネの技術的、音楽的な難関を克服していた。(中略)ドビュッシーのラプソディー第1番もまた、非の打ちどころのないクラリネットの音程感で楽々と、また繊細なコントロールを伴いながら演奏された。(中略)ウェーバーの技巧的なコンチェルティーノでは、彼らのしなやかでアゴーギグにおいても情感豊かによくコントロールされた演奏を聴衆はまったく純粋に愉しむことができた。
休憩後には当夜の目玉であるブラームスのクラリネットソナタ第1番ヘ短調が演奏され、魅惑的なアンダンテ=アダージョ楽章は素晴らしく親密な仕方でとてもうまく機能していた。完全に解放された演奏上の静寂は当夜のクライマックスであり、ラジオ収録と演奏会のおこなわれたこの長い一日がクラリネット奏者にとっていかに大変だったかが少し伺うことのできた状況を忘れさせるほどであった。(中略)彼らの卓越した技巧にふさわしくリムスキー=コルサコフの「熊蜂の飛行」がアンコールに演奏され、長い拍手と足を踏み鳴らす音、ブラボーの呼び声と共に当夜は終演となった。

Markus Brändle氏)

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2011/11  Illertisser Zeitung紙 (ドイツ)
イラーティッセン城バロックザールでのリサイタル批評
(クラシックギター奏者フリーデマン・ヴットゥケ氏、カスタネット奏者フェリックス・マツーラ氏との共演)

「情熱溢れるスペインの響き」

今回のイラーティッセン城での演奏会では、シュトゥットガルト出身のギタリスト、フリーデマン・ヴットゥケ氏と日本人ピアニスト服部慶子さんがスペイン音楽で最も重要とされる作曲家たちの作品をプログラムに選んだ。(中略)劇的な情熱と共に、服部慶子さんはイサーク・アルベニス最晩年の作品である組曲「イベリア」の音楽世界へと自己を投入した。かつての神童でありスペインの民俗音楽の様式を確立した創造者として、アルベニスは野性味あふれるリズムや眩い輝きを放つ和声進行、また荘厳さに支配された緊張感に満ちた対比をこの作品で表現している。この女性ピアニストは、調和し、また対比する様々なレベルの響きの違いを大胆かつ技巧的に描き出した。(中略)熱狂的な喝采の贈られた独奏作品の後、ディアベリの小品がデュオで演奏された。葬送行進曲はまるでベートーヴェンの作品26のように響いた。続いて、東京やザルツブルグで作曲法も学んだ服部慶子さんにより編曲されたファリャ、グラナドス、ボッケリーニの3つのスペイン舞曲が、この演奏会の輝かしいクライマックスを形成した。その際、カスタネット奏者フェリックス・マツーラ氏が同じく素晴らしい技巧で演奏に賛助した。解き放たれた響きの渦は沸き立ち、印象深く魅惑に溢れていた!ボッケリーニの猛烈なファンダンゴの後、聴衆の期待に応えてグラナドスの流れるような3拍子の「スペイン舞曲」第2番がもう1曲アンコールとして演奏されなければならなかったのは、何ら不思議なことではなかった。

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2011/11  Murrhardter Zeitung紙 (ドイツ)
ムーアハルト ハインリッヒ・ヴォン・ツューゲルザールでのリサイタル批評
(クラシックギター奏者フリーデマン・ヴットゥケ氏、カスタネット奏者フェリックス・マツーラ氏との共演)

「並外れた精密さと羽のように軽やかな演奏」

素晴らしいデュオ―ピアニスト服部慶子とクラシックギター奏者フリーデマン・ヴットゥケ―が古典派と印象派のヴィルトゥオーゾ音楽によって聴衆を魅了した。第1部ではそれぞれ独奏作品を披露し、第2部ではギターとピアノによる吟味された珠玉の作品群にカスタネット奏者フェリックス・マツーラが輝きを添えた。(中略)服部慶子のピアノ演奏は並外れて精密であり、ピアノの鍵盤からクリスタルの輝きや羽のように軽やかで至極の響きをも生み出す能力を備えていた。まず初めにピアノ独奏により、スペインの作曲家で自身が卓越したピアニストであったアルベニス作曲の組曲「イベリア」より第2巻「ロンデーニャ」「アルメーリャ」「トゥリアーナ」が、傑出した卓越さで演奏された。「ロンデーニャ」はファンダンゴの一種であり、その言葉には円形での踊りという意味が含まれているが、アルベニスが作曲した「ロンデーニャ」には数多くの不協和音が響くまるで金属的な硬さが聞き取れた。そのためこの作品は驚くほど現代的に、ほとんど20世紀の音楽であるかのように響いた。もちろんアラブの音楽からの影響が顕著にあらわれる伝統的かつ典型的な響きの反復やそれらが持つ元来の緊張感も欠けてはいなかった。「アルメーリャ」は幾分物静かな情熱が支配した作品であるが、彼女は情感豊かに、ある時はメロディーを至極の美しさで、ある時は世俗的に、またある時はとても軽快に演奏した。「トゥリアーナ」(セビーリャにあるジプシー居住区の一角)はパッソ・ドーブルで始まり、直ちに並外れて濃密な雰囲気を醸し出す。彼女は人々が遊歩道をそぞろ歩きする様子を音楽的に描き出すことに成功した。(中略)後半では、オーストリア人作曲家・出版者アントン・ディアベリの30曲にわたるギターとピアノのための小品より、性格の異なる7曲が演奏された。それらは音楽的な小品の集合体であり、かわいらしく、時には子供らしく無邪気に、楽しく軽快に演奏された。中でも葬送行進曲のみは例外的で、人間という存在の困難さや強靭さなどを重い足取りで物語った。ボッケリーニ、グラナドス、ファリャによる3つのスペイン舞曲ではカスタネットが非常に重要な役割を果たし、優れたカスタネット奏者フェリックス・マツーラがスペインの情熱やこの国に特有のキャラクターを完璧に表現した。(中略)極めて素晴らしい演奏会のひと時であった。

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2011/04  Oberbayerisches Volksblatt紙 (ドイツ)
バート・アイブリング クーアハウスでのコンサート批評
(アサセッロ弦楽四重奏団との共演)

「繊細に、ダイナミックに」

すでに最初の拍から、聴衆はアサセッロ弦楽四重奏団の注意深いバランスと細やかな配慮の行き届いた響きによる演奏を楽しむことができた。カルテットのメンバーであるロスティスラフ・コイェヴニコフ(第1ヴァイオリン)、バーバラ・クスター(第2ヴァイオリン)、ジュスティーナ・スリヴァ(ヴィオラ)、ヴォルフガング・ツァマスティル(チェロ)さん等は生き生きとしたアレグロを繊細なトリルの付いた第2主題とともにそっと軽やかに流れるように演奏した。服部慶子さんは彼らによる躍動的な序奏の後集中力をもってソロパートを受け継ぎ、すっかり簡素に外連味なく演奏した。魅力的なメロディーは、まるでこの華奢なピアニストが完全に音楽を伝える仲介役に徹して、自ずから響きを奏でているかのように聴こえ、柔和で簡素なラルゲットと喜びに満ちたフィナーレは彼らアンサンブルの成熟した響きを構築できる能力の高さを示した。(中略)音楽的に大いなる挑戦ともいえるのがこの有名なヨハネス・ブラームスのピアノ五重奏曲 ヘ短調であったが、彼らアンサンブルはもちろんこの記念碑的な作品を素晴らしく手中におさめていた。アサセッロ弦楽四重奏団はここでもまた色彩豊かでニュアンスに富んだ演奏で魅了し、頻繁に交代してあらわれる力強いフォルテッシモや夢見るような優しさ、圧倒的なドラマ性や静けさに満ちた表現を巧みに操っていた。服部慶子さんは大げさな情念を排除し響きの繊細さを用いて演奏し、特にフィナーレではバラード調の主題で聴衆を掴んだ。彼らの表情豊かな演奏に、ピアニストと弦楽四重奏団は熱狂的な聴衆の拍手を受けた。

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2011/02  Rhein-Zeitung紙 (ドイツ)
コブレンツ スポーツハレ・オーバーヴェルトでのコンサート批評
(シュテファン・ブルニエ指揮ベートーヴェン・オーケストラ・ボンとの協演)

「ある時は戦闘的な激しさ、ある時は優雅さ」

オール・ベートーヴェン・プログラムに、今回ムジークインスティトゥート・コブレンツはベートーヴェン・オーケストラ・ボンを招聘した。(中略)生き生きとあらゆるレジスターから作り出される響きで、音楽監督シュテファン・ブルニエ率いるベートーヴェン・オーケストラ・ボンはそれぞれの作品を描いた。(中略)中でも騒々しい出だし(ウェリントンの勝利)の直後に演奏されたピアノ協奏曲第3番は、当夜のクライマックスとなった。オーケストラ団員たちがすでにソリストが舞台に登場する時点で拍手喝采を送る様子を見ると、いい演奏を演奏前から期待させられる。この音楽家同士によって前もって向けられた敬意は、ソリストである日本人女性ピアニスト服部慶子さんへ対してであった。彼女は輝かしく卓越した演奏家であり、自身の高度なヴィルトゥオジティを決して前面に押し出すことなく、オーケストラとの協調性へと自己を投入していた。これは、ピアノ協奏曲第3番でのオーケストラとの均衡した力関係においては特に適切な選択だった。難しさをまったく感じさせない連続したトリルはいかにもさりげなく次第に明確さを増し、彼女は第1楽章後半のカデンツァを大変鮮やかにピアニスティックな輝きの高みへともたらした。そのように、このピアノ協奏曲は指揮者の注意深い対処やオーケストラの高度な集中力などを伴って、聴衆の興奮を誘うまでに成功したのであった。これは、まさにこのようなプログラムの配置ではリハーサルの時間がかろうじて足りる程度となる通常のシンフォニーコンサートにおいては、まったく稀なことである。アンコールには、深い情感の込められたシューベルト=リスト「菩提樹」が演奏された。

Claus Ambrosius氏)

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2011/01  Schwarzwaelder-bote紙 (ドイツ)
オーベルンドルフ・アム・ネッカーでのマイスターコンサート・シリーズの
コンサート批評 (ヴァイオリニスト北門郁子さんとのデュオ・リサイタル)

「デュオが優れた能力で魅了する」

プログラムの冒頭で演奏されたのは、W.A.モーツァルト作曲、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調K.301。甘くメロディックな開始の後にはすぐに両方のソリストに極度の技巧を要求されたが、北門郁子さんは重音奏法などで彼女の技巧の高さを示した。この作品では不公平ながら一つの楽器に主導権が与えられがちではあるが、ピアノのパートナーとしての役割に留まらず時折ヴァイオリンにも可憐なメロディーが現れていた。2楽章アレグロでは逆に服部慶子さんがあらゆる音量の幅をピアノから引き出し、頻繁にヴァイオリンへ音響の主導権を渡すこととなった。ソリストたちの確信をもった安定感は、きっと長年パートナーとして演奏してきた彼女たちの音楽の相互理解が根底にあるからなのだろう。このソナタはある快活な夏の日を思い起こさせた。
まったく異なる雰囲気で始まったのが、L.v.ベートーヴェン作曲、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 変ホ長調。ここではまず服部慶子さんがピアノで先行して華麗な技巧を披露した。最初はヴァイオリンは音楽上控えめな立場だったが、反復後には役割が交代した。速いパッセージでも服部慶子さんが絶対的な的確さを示し、北門郁子さんも美しく丸みのある音色でそれに応えた。非常に表情豊かに演奏された2楽章でも、ベートーヴェンは明快なメロディーの流れの中にウィーン古典派の絶対的な担い手であることを立証した。
シューベルト作曲ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調は、ヴァイオリンの幻想的なピアニッシモの出だしで始まり、その後も引き続く魅惑的で明快なメロディーの連なりを、ピアノによる細かな音型が縁取っていた。もしかしたら長く続くヴァイオリンのピッツィカートのパッセージでは、ピアノがヴァイオリンへもう少し優先権を渡してあげても良かったかもしれないが、それは今晩素晴らしく演奏された偉大な音楽を聴いた印象を損なうものでも決してなかった。聴衆の盛大な拍手に応えて、アンコールが1曲演奏された。

Alwin Weber氏)

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2010/09  Südkurier紙 (ドイツ)
ストックアッハ 「マイスターコンチェルト」シリーズでのリサイタル批評

「日本人女性ピアニストが聴衆を熱狂させる」

そこでは美しい服部慶子さんの前に草木もひれ伏す―この日本人ピアニストがピアノのもとへと登場した際、かつて何度も詩歌に詠われたリロフェーの姿がすぐに思い浮かんだ。というのも、彼女の輝ききらめくドレスやイヤリングのように、ベートーヴェンの最初の変奏曲の調べは輝きを放っていたからだった。ピアニストとしての卓越した技巧で「マイスターコンチェルト」シリーズを開幕したこの1979年生まれの日本人ピアニストは、カール=ハインツ・ケマーリング教授の弟子として教養ある感受性豊かな様式を身につけていた。(中略)
服部慶子さんは、変奏曲のつながりを響きの豊かさを共通点とする個々のキャラクターピースの連続として表現した。その後演奏されたベートーヴェンの幻想曲ロ長調作品77ではバッハの半音階的幻想曲やモーツァルトの幻想曲ハ短調との繋がりと感じさせ、まさしく大規模な幻想曲のモデルとして作品を描き出した。服部さんはこの作品が包括するほとんど行く先の見えない夢想性や即興性という印象をいかに呼び覚ますかを見事に理解しており、高度のピアノ演奏技術が要求され緻密に構成されたこの作品の万華鏡のように輝くヴィジョンはそのようにして再現されたのだった。
とどろくような最低音のトリルで開始し素晴らしい卓越さで演奏されたベートーヴェンのピアノソナタハ短調作品111では、劇的な緊張感、陰鬱さ、内面的な葛藤が最初の楽章を特徴づけた。「今晩のリサイタルは素晴らしかった。完全に言葉を失うほど感動した。」とある聴衆の女性は夢中になって話し、至るところで共感を得ていた。拍手喝采とそれに応えるアンコールの前に、このヴィルトゥオーゾピアニストはシューベルトのピアノソナタ第18番で聴衆を喜ばせた。このソナタは作品としては所々装飾過多な傾向があるにも関わらず、服部慶子さんによって明晰明瞭に演奏されたのであった。

(Gabi Rieger氏)

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2010/09  Kölner Stadt-Anzeiger紙 (ドイツ)
ベルギッシュ・グラードバッハ 「マイスターコンチェルト」シリーズでの
リサイタル批評

「安定感と表現の幅広さ」

見事な演奏解釈と高度な繊細さがピアノリサイタルを特徴づけた。ベルギッシュ・グラードバッハでの「マイスターコンチェルト」シリーズの新しいシーズンが、ビュルガーハウス・ベルギッシャーレーヴェにて「ピアノ音楽の宝石」と名付けられたザルツブルグ近郊に在住する繊細な日本人女性ピアニスト服部慶子さんによるリサイタルで開幕した。この控えめな31歳のピアニストはこれまで数々の
国際コンクール(特に2007年に行われたボン国際ベートーヴェンピアノコンクールなど)で入賞歴があり、作品へ没頭する集中力を伴った色彩豊かで成熟した演奏で感銘を与えた。彼女の演奏解釈はきらめくようで、彼女のネックレスやイヤリング、ドレスのラメのように輝かしい光を放っていた。決して押し付けがましくはなく、それでいながらいつまでも心に残り続ける感銘深い演奏である。
プログラムの第1部は、特に様々な形での変奏がキーワードとなるベートーヴェンの作品によって構成されていた。6つの変奏曲ヘ長調作品34のそれぞれの変奏において、彼女は表現や拍感、調整などにおいて様々な違いを特徴づけていた。叙情的なものから不穏な状態へ、歌うようなメロディーからアグレッシブな葬送行進曲へ、そして快活でピアノの鍵盤上を駆け回るトリルまでその特徴は自在に変化した。同様に、彼女は幻想曲作品77でも感情表現の多彩さを発揮した。彼女は前半部を不安にさすらう探求、叙情的なパッセージと激しい響きの間の極度の変化やピアノとフォルテのコントラスト、急速また哀調をおびた要素としてとても現代的に解釈し、ベートーヴェンを現代音楽へのパイオニアとして表現した。それに対し、後半部で耳馴染みのいい美しいメロディーがテーマとなり様々に変奏される際には充実した響きで満たした。
これらの格闘と平和、現世と彼岸、男性性と女性性の変化に富んだ対決に、彼女はベートーヴェンの最後のソナタであるピアノソナタ第32番ハ短調作品111でも挑み続け、2つの楽章間のコントラストを極端に強調しすぎることなくダイナミックにそして成熟したやり方で構築した。それでいて第2楽章アリエッタの5つの変奏を、決して感情におぼれることなくゆっくりと進みドラマティックに展開するパッセージを経て悟りの静寂へともたらした。
第2部では、1826年ーベートーヴェンの最後のソナタが作曲された17年後ーに書かれたシューベルトのピアノソナタ第18番ト長調作品78 (D.894)が演奏された。この晩彼女の趣きは、ベートーヴェンのソナタの宥和的に消えゆくように終わった終楽章に続いていた。第1楽章では服部慶子さんは、次々と現れる愛らしい要素の潜むゆえに問題を多くはらむ宿命である世界へ事の経過を慎重に立ち返らせた。第2楽章アンダンテでは歌うような主題を明瞭かつ聡明に支配し、第3楽章メヌエットでは演奏はさらにエネルギッシュになり、第4楽章アレグレット=ロンドでは音楽にみなぎる緊張感やテンポは興奮するほどに高揚した。すべての作品を暗譜で演奏したこの女性ピアニストの安定感と表現能力の幅広さによって、全作品の演奏は確信に満ちていた。聴衆は集中的に惜しみない拍手を贈り、彼女はアンコールにロッシーニ=リストの「音楽の夜会」より「約束」を演奏した。

Günter Jeschke氏)

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2010/07  音楽現代 7月号
2010年4月24日 日本演奏連盟主催演連コンサートでの
リサイタル批評

東京藝大からザルツブルグ・モーツァルテウム音大、同大学院で研鑽を積み、その後ドイツ、オーストリアを中心に演奏活動を行なう。今回ベートーヴェンとシューベルトに焦点を当てたプログラムでその真価を問うた(演連コンサート219)。
おそらく彼女がこの2人の作曲家の音楽に尊崇と親近感を抱き、本質を窮めたいと考えていることがよくわかる。前半のベートーヴェンでは作品34の変奏曲、作品77「幻想曲」で作曲家の革新性と充実した響きを、最後のソナタ(作品111)でその到達した究極の姿を描いた。彼女が目指すのは華麗な技巧や絢爛たる音彩とは無縁の、言わば音楽の内実なのだろう。その意味で、現時点でのベストを聴かせてくれた演奏だ。つまり形式に収まりきらないベートーヴェンの意志的な特徴が生かされていたのだ。後半のシューベルトは「幻想」ソナタ。溢れ出る旋律とハーモニーの泉を、彼女はキリリとした造型で引き締め、見事に再現した。

(保延裕史氏)

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2010/06  音楽の友 6月号
2010年4月24日 日本演奏連盟主催演連コンサートでの
リサイタル批評

服部慶子は、東京藝大、ザルツブルグ音大・同大学院に学び、第17回シューベルト国際コンクール全部門総合優勝、第2回ボン国際ベートーヴェン・ピアノ・コンクール2位などの入賞歴を持ち、さらに室内楽の分野でも実績のあるピアニスト。今回のプログラムは、前半がベートーヴェン。「創作主題による6つの変奏曲」op34は流麗で、服部のしなやかな音楽性を感じさせる。「幻想曲」での彼女は、充実した技巧を披露しつつ、楽想の変化をシャープに表現した。「ソナタ第32番」は、爆発的な迫力には欠けるが、彼女なりに表現が工夫されており、特に第2楽章後半での弱奏の美しさ、その瞑想性は印象深い。リサイタルの後半は、シューベルト「ソナタ第18番《幻想》」。服部は、シューベルトの息の長い旋律を、ほどよく引き締めながら歌いあげ、さらに、柔らかなタッチで、作品の叙情美を丁寧に表現した。今後の活躍が期待できる若手実力派である。

(原明美氏)

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2010/04  Schwäbische Zeitung紙 (ドイツ)
ハーグナウ 市庁舎ホールでのリサイタル批評

「服部慶子さんのピアノ演奏が聴衆を魅了する」

日本人ピアニスト服部慶子さんの素晴らしいピアノリサイタルによって、今年のボーデン湖・春の音楽祭は終焉を迎えた。(中略)すべてが完璧に揃っていた――彼女の淡い緑色のドレス、素晴らしい雰囲気、そして才能溢れるピアノ演奏――たくさんの聴衆たちは視覚と聴覚の両方から楽しむことができた。この繊細な日本人ピアニストの演奏を耳にすれば、なぜ彼女が多くの音楽家たちが夢見る国際的なキャリアのスタートを切ることができたかを納得させられる。ベートーヴェン国際ピアノコンクール入賞者である彼女は、若い世代で最も優れたピアニストに属していることを鍵盤上で証明してみせた。彼女の演奏は音楽の世界に完全に入り込んでいて情熱的に響く。ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンの6つの変奏曲ヘ長調で響きの豊かな夕べは幕を開け、聴衆は素晴らしいコンサートを楽しんだ。多くの聴衆はうっとりと目を閉じ、この若い音楽家の感嘆に価する感情表現の能力に耳を傾けた。(中略)聴衆は彼女に惜しみない拍手を贈り、熱狂的な拍手に喜んで彼女はシューベルトの歌曲集「冬の旅」より「菩提樹」をアンコールに演奏した。

(Claudia Paul氏)

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ARD Mediathek (南ドイツ国営放送局メディアテーク)

「第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)ファイナル」より
入賞者たちの演奏のダウンロード

【プログラム】 ベートーヴェン: ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58

(ベートーヴェン・オーケストラ・ボン
指揮: ローマン・コフマン  ピアノ: 服部慶子)

URL: http://www.ardmediathek.de/ard/servlet/content/938976

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2009/09  Südkurier紙 (ドイツ)
ユーバーリンゲン クーアザールでのコンサート批評 (ポーランド国立
チェンストホーヴァ・フィルハーモニー管弦楽団との協演)

「ロマン派の音楽が2つの国を結ぶ」

その夜のコンサートのクライマックスは、日本人若手女流ピアニスト服部慶子さんの演奏するフレデリック・ショパン(1810-1849)作曲ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11であった。(中略)服部慶子さんは大変繊細で表現豊かな、苦労をまったく感じさせないような演奏で熱狂させた。彼女は真珠を転がすようなスケール、ピアニッシモではささやくように響く音の段階的変化、力強いタッチでエネルギッシュに前進するパッセージによって、この素晴らしいショパンのピアノ協奏曲の音色の多彩さや感情表現を実現させたのだった。オーケストラとの巧みな協調性は彼女の素晴らしい能力を証明しており、何より管楽器との難しいアインザッツにおいても繊細に注意深く対処されていた。聴衆の拍手に応えて、彼女はフランツ・シューベルト作曲即興曲変イ長調を演奏した。

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2009/09  Südkurier紙 (ドイツ)
ヴァルツフート市立ホールでのコンサート批評 (ポーランド国立チェンストホーヴァ・フィルハーモニー管弦楽団との協演)

その後、日本人女性ピアニスト服部慶子さんによって決然と素晴らしく演奏されたフレデリック・ショパン作曲ピアノ協奏曲第1番ホ短調が、演奏会の第1部において真のクライマックスを飾った。彼女は本物の素晴らしい才能の持ち主であり、すでに演奏会第1部で聴衆を感動させブラボーの嵐を巻き起こした。彼女がピアノの鍵盤上で繰り広げるヴィルトゥオジティを思えば至極当然のことであり、何より彼女のショパン作品に対する感情豊かな演奏表現能力は今でも感情を揺さぶるほどである。

Gerd Scheuble氏)

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2009/09  Schwarzwaelder-bote紙 (ドイツ)
オーベルンドルフ・アム・ネッカーでのマイスターコンサート・シリーズの
コンサート批評 (ポーランド国立チェンストホーヴァ・フィルハーモニー
管弦楽団との協演)

「ポーランド国立フィルハーモニー管弦楽団とピアニスト服部慶子さんが
今シーズン最初のマイスターコンサートで聴衆を熱狂させた」

フレデリック・ショパン作曲ピアノ協奏曲第1番ホ短調のソリストを務めたのは服部慶子さんだった。彼女がいかにこの偉大な作品を構築したかは、まったく感嘆に価するものであった。光り輝くような威力を持ったフォルテッシモのパッセージはすぐに、音楽的な瞑想の果てにはほとんどささやくように響く叙情的なパッセージへと変化し、ロマン的雰囲気が素晴らしく表現されていた。ショパンがポーランドの民俗音楽から借用したアレグロ・ヴィヴァーチェの3楽章では、服部慶子さんは再度彼女のすべての能力を示したのであった ― 左手のバスのトリル、右手の鬼火のように煌くパッセージ、オーケストラとの調和など、卓越した演奏が繰り広げられた。熱狂的な拍手喝采の後で、聴衆へもう一つプレゼントが贈られた ― アンコールにフランツ・シューベルト作曲の即興曲変イ長調が演奏されたのだった。

Alwin Weber氏)

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2009/07 Abtsdorfer Pfarrblatt紙 (オーストリア)
ヴァイオリニスト北門郁子さんとのデュオ・リサイタルの記事

「2009年7月10日アッター湖畔アッターゼーでの演奏会」

アッター湖畔の町アッターゼーにあるゼーガストホーフ・オーベルンドルファー内シュピーゲルザールでは、素晴らしい雰囲気の中で数多くの文化的催しが開かれている。その中でも私たちの町の音楽行事として最も素晴らしかったのは、間違いなくピアニスト服部慶子さんとヴァイオリニスト北門郁子さんによるコンサートだったといえよう。演奏会では、彼女たち2人の音楽家が卓越した技巧と音楽的な感情表現の能力で満員の聴衆らに感銘を与えた。プログラムにはモーツァルト、シューベルト、リヒャルト・シュトラウス、フランツ・ワックスマンのカルメン幻想曲がならび、アンコールとしてモーツァルトおよびブラームスの作品が演奏された。(中略)通常このような高い水準の演奏会は、大都市あるいは著名なコンサートホールでしか聴くことができないものであるが、このシュピーゲルザールにもここでしか味わえない素晴らしい雰囲気が備わっていたことも書き加えておかなければならない。というのも、聴衆が音楽の世界にすっかり入り込んでしまったような感覚をおぼえるほど、自然(水の戯れと湖に浮かぶ船が揺れるさま)と音楽が一つに融和して溶け合ったのだった。

Heimatverein Attersee am Attersee代表 Dr. Fritz Göschl氏)

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2009/07 Attersee Aktuell紙 (オーストリア)
ヴァイオリニスト北門郁子さんとのデュオ・リサイタルの記事

北門郁子&服部慶子 デュオ・リサイタル in アッター湖

「ゼーガストホーフ・オーベルンドルファーでの演奏会」

2009年7月10日(金)、アッター湖畔の町アッターゼーにあるゼーガストホーフ・オーベルンドルファーのシュピーゲルザールにて、たくさんの聴衆がロマンティックな演奏会を楽しんだ。モーツァルトやシューベルトの作品などが並び、ヴァイオリニスト北門郁子さんとピアニスト服部慶子さんによる演奏は聴衆を熱狂させた。彼女たちは2人とも、ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学大学院にて研鑽を積み同大学大学院修士課程を卒業しており、これまでに数多くのリサイタルをヨーロッパや日本で行なっている。そして、すでに国際的に著名な音楽コンクールで受賞を重ねている芸術家たちである。

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2008/12 General Anzeiger紙 (ドイツ)
第2回ボン国際ベートーヴェンピアノコンクール
受賞記念ガラコンサートの批評

第2回ボン国際ベートーヴェンピアノコンクール ガラコンサート批評

「2007年に開催された第2回ボン国際ベートーヴェンピアノ
コンクール受賞者たちとの再会」

先週日曜日、約750人の聴衆がドイツ・テレコム本社にて素晴らしい雰囲気の中クラシック音楽を楽しんだ。(中略)
この日、真の意味の偉大さに到達したのは唯一前回のコンクールにて第2位を受賞した服部慶子さんのみであった。彼女がピアノに向かうと、音楽はその素晴らしさと表現の深みを現わす。彼女は魅惑的にベートーヴェンの6つの変奏曲ヘ長調の主題を魂が吹き込まれたように生き生きと構築し、個々の変奏が持つキャラクターを最後の拍まで把握し息をのむほど素晴らしく再現した。
彼女の演奏は力強く、明瞭かつ熟考されている。すべては一貫したテーマの上に構築され、並外れて論理的である。カール=ハインツ・ケマーリング教授のもとで自らの芸術を完璧なものにするため研鑽を積んだ服部さんは、自分の持つ能力を完全に音楽を表現することに徹しさせる卓越さを所有している。そしてまったくそのように聴衆はベートーヴェンのピアノソナタハ短調作品111を体験し、この不可思議なソナタは彼女の演奏によってその内部に隠された論理をあらわにしたのであった。2楽章のアリエッタも卓越していて、この楽章で素朴な主題がいかに生き生きと躍動し始めるか、そして最後に天上の高みへと消えていくかを、服部さんは非常に感動的に構築した。

Mathias Nofze氏)

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2008/12 General Anzeiger紙 (ドイツ)
ボン国際ベートーヴェンピアノコンクール受賞記念
ガラコンサートについてのインタビュー記事

第2回ボン国際ベートーヴェンピアノコンクール ガラコンサートについてのインタビュー記事

「ボンは私にとって第2の故郷です」

昨年開催されたボン国際ベートーヴェンピアノコンクールにて第2位を受賞した服部慶子さんが、14日入賞記念ガラコンサートに出演する。(中略)
日本人女性ピアニスト服部慶子さんは8年前、東京芸術大学からモーツァルトの故郷であるザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学に研鑽の場を移した。「ささいな偶然で」と彼女は語る。ザルツブルグ国際夏期音楽アカデミーのパンフレットに掲載されていたカール=ハインツ・ケマーリング教授のマスタークラスを目にした当時20歳の彼女は、「ちょっとヨーロッパに行ってみよう」と思い立つ。彼女がケマーリング教授のもとで勉強した要素は、実際は彼女が当時東京芸術大学で師事していた神野明氏のメソードと遠くかけ離れていたものではなかったという。そして彼女は、ドイツ語圏の国においてモーツァルトやベートーヴェン、シューベルトの音楽をもっと深く研究したいという思いを強めていった。当初3~4年くらいと考えていた留学予定は今や8年となり、今後も当面はザルツブルグに活動の拠点を置くという。特にドイツの音楽界において、昨年ボン国際ベートーヴェンピアノコンクールで第2位の他聴衆賞やすべての特別賞を受賞して以来、次々と確実にコンサート主催者やエージェントからのコンタクトが増えていき、彼女の演奏会スケジュールを顕著に満たしていった。「このコンクールは私の演奏家としてのキャリアをかなり手助けしてくれたと思います」と彼女は言う。例えば彼女はルール・ピアノフェスティバルやボーデン湖国際音楽祭などに招聘された他、今年初めにはコレギウム・レオニヌム・ボンで開催された「ピアノ・プラス」シリーズでファツィオーリ製の巨大なピアノを演奏する機会にも恵まれた。また秋にはボン国際ベートーヴェン音楽祭において、ベートーヴェン作曲変奏曲ハ短調、2つのバガテル、ピアノ・ソナタハ短調作品111によるプログラムでシャウムブルグ城にてリサイタルを行い、ボン・クラシック・フィルハーモニー管弦楽団の今シーズン最初のコンサートではベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番ト長調で聴衆に深い感銘を与えた。そして11月末にはアイフェル・モーツァルト週間音楽祭に招聘され、ゲロルシュタインにてベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番変ロ長調を演奏した。(中略)彼女のレパートリーにおいて、ベートーヴェンの全ピアノソナタではあと「ハンマークラヴィーア・ソナタ」作品106とピアノソナタ作品110変イ長調が欠けているのみだという。もしそれらが揃えば、ピアノソナタのツィクルスは完成する。そして「ベートーヴェンの全ピアノソナタを一度ツィクルスとして演奏することができるなら素晴らしい」と語る。
ところで、14日の入賞記念ガラコンサートの2日前には、ボンに本社を置く税理士事務所のクリスマスコンサートにてリサイタルを開催した。――今年初めのコレギウム・レオニヌム・ボンでのリサイタル後にできたコンタクトにより実現したという。服部慶子さんがボンを「私にとっての第2の故郷」だと表現するのも何ら不思議なことではない。また、彼女は同時に室内楽分野にも精力的に取り組んでおり、「パミーナ・トリオ」のメンバーとして各地で演奏活動を展開している。
この女性ピアニストと談笑すると、よく笑い、また料理が好きな一人の若い女性という一面に遭遇する。「日本食だけでなく、イタリア料理やオーストリア料理もよく作る」のだそうだ。例えば、オーストリア料理で代表的な「カイザーシュマレン」も彼女の食卓に時折上るという。自宅には80年前に製造されたスタインウェイ製グランドピアノが置かれ、そこで彼女は静寂の中で研鑽し、湖の周りをサイクリングするなど余暇も楽しんでいる。

Mathias Nofze氏)

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2008/12  Trierischer Volksfreund紙 (ドイツ)
アイフェル・モーツァルト週間音楽祭でのコンサート批評
(バルト・フィルハーモニー管弦楽団との協演)

「絹のように滑らかなパッセージと輝かしい演奏解釈」

アイフェル・モーツァルト週間音楽祭は、フィナーレとしてゲロルシュタイン市の聖アンナ教区教会にて演奏会を開催した。輝かしいフィナーレを飾る演奏会の中心となったのは、ベートーヴェン作曲のピアノ協奏曲第2番であった。(中略)演奏会の中核には、若い演奏家であり2007年に開催されたボン国際ベートーヴェンピアノコンクールにて第2位を受賞した日本人女性ピアニスト服部慶子さんが登場した。今回ゲロルシュタインで、彼女はルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲のピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品19という、このボン出身の巨匠においておそらくモーツァルトと音楽的に非常に近しい関係にある作品を演奏した。服部さんの演奏は軽やかさと愛情に満ちており、「いとも容易く」という言葉のまさに本当の意味において作品が要求する難度を彼女の卓越した技巧で処理していた。絹のように滑らかなパッセージ、そして彼女の演奏において色彩は非常に幅広く多様であり、それらすべては成熟した深みのある輝かしい演奏解釈を生み出した。

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2008/12  月刊「中部経済界」12月号
中部音楽界 コンサート&ステージ

2008年10月23日(木)名古屋・中日信用金庫本店内
ちゅうしんホールでのPamina Trioリサイタルを評して

「第28回 ちゅうしんコンサート 『パミーナ・トリオ』」

中日信用金庫の主催するこのコンサート・シリーズは、近年、内外の若手実力派が相次いで登場している。今回はザルツブルグを拠点に活動する「パミーナ・トリオ」が招かれた。ヴァイオリン(北門郁子)、クラリネット(ベアトリス・ロペス)、ピアノ(服部慶子)という珍しい編成の三重奏グループである。
プログラムは、ストラヴィンスキー「兵士の物語」、ミヨー「組曲」、モーツァルト「ケーゲルシュタット・トリオ」。編成の特殊さからいってどちらかというと線の細さは否めないものの、演奏に対する真摯な取り組みと旺盛な表現意欲が顕著に伝わってきて、聴き手にとって馴染み少ないであろう二十世紀の音楽さえもがすんなり受け入れられている様は、傍目にもいっそ快いものがあった。

(鈴木 詢氏)

URL: http://www.runde.jp/js/essay/y_08/e_0812.html

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2008/11  Schwäbische Zeitung紙 (ドイツ)
プフュレンドルフ市立ホールでのコンサート批評
(バルト・フィルハーモニー管弦楽団との協演)

「服部慶子さんが技術的な完璧さで魅了する」

この若い日本人ピアニストはクラシック音楽のシーンにおいて他の多くの若手ピアニストより体格的に突出しているだけでなく、センセーショナルな完璧さと技術的な華麗さをもって「なぜ彼女が専門的なクラシックの世界で若い世代の最も優れたピアニストとして見なされているのか」をプフュレンドルフの聴衆に明確に示した。(中略)彼女の敬愛するベートーヴェンの演奏は、すでにこの地域では今年4月のボーデン湖国際音楽祭にて披露しているが、プフュレンドルフでの今回の演奏会ではピアノの響きに集中して入り込み浸っているようだった。この約28分間に及ぶ天才的なベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第2番から、若いヴィルトゥオーゾピアニストは卓越した演奏を紡ぎだした。彼女の偉大な才能と集中力により、近々我々は服部慶子さんを著名な大ホールで聴くことになるだろう。

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2008/11  Südkurier紙 (ドイツ)
プフュレンドルフ市立ホールでのコンサート批評
(バルト・フィルハーモニー管弦楽団との協演)

「感情の幅広さ」

モーツァルトの傑作である交響曲第40番ト短調K.550とベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品19、そして「コリオラン」序曲作品62を一つの演奏会で聞くことができたのは、きっとプフュレンドルフの聴衆にとって並外れて素晴らしい瞬間だったことであろう。ベートーヴェンのピアノ協奏曲において、若い日本人女性ピアニスト服部慶子さんは聴衆の息をつかせぬほどの輝きを放った。(中略)
服部慶子さんは昨年ボンで開催されたベートーヴェン国際ピアノコンクールの受賞者で、若い世代で最も卓越したピアニストの一人でもあり、すでに数多くのコンクールを制している。また、彼女は大きな国際的舞台においてケルンWDR放送管弦楽団やベートーヴェン・オーケストラ・ボンなど著名なオーケストラと協演を重ねている。
この若い日本人女性ピアニストの並外れた指さばきと優れたテクニックは極めて明白であり、ベートーヴェンの初期の作品でありまだウィーン古典派に属するというべきこの作品を、彼女は華麗に素晴らしく演奏した。

Mario Stiller氏)

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2008/10  General Anzeiger紙 (ドイツ)
ボン・ベートーヴェンハレでのコンサート批評
(ボン・クラシック・フィルハーモニー管弦楽団との協演)

「純粋なクラシック作品による演奏会: バイセル氏と服部さんによるベートーヴェンの協演」

1979年生まれの日本人女性ピアニスト服部慶子さんは、例えばイタリアで開催された第17回シューベルト国際音楽コンクールでの全部門総合第1位やボンで昨年開催された第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクールにて第2位を受賞するなど、これまでに数々の著名なコンクールでの入賞歴がある。したがって、服部慶子さんが確固たる卓越性を持って演奏し、彼女と同等のレベルにある音楽をオーケストラに求めるのは何ら不思議なことではなかった。彼女はほとんどすでに尋常ではないと感じられるほど完璧なテクニックを駆使しており、さらにその完璧さは空虚さをほとんど感じさせることがなく、他方では魔法のような音楽作品の素晴らしさも損なわなかった。まさにこの魔法のような音響世界は、ベートーヴェンの5つのピアノ協奏曲の中で最も叙情的である第4番を演奏する際に不可欠なものである。
その際服部さんは彼女と同等のレベルの音楽を提供するオーケストラに支えられ、緊張感に満ちたオーケストラとの対話を演奏にもたらした。特に感銘深く響いたのは第2楽章で、内面的で張り詰めた震動がほとんど切れ目なく繊細に始まる最終楽章へと移行した。熱狂的な聴衆の拍手はソリストにアンコールを要求した:彼女が演奏したのはフランツ・リストによるシューベルト歌曲の編曲「愛の便り」であった。

Barbara Pikullik氏)

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2008/10  Hamburger Abendblatt紙 (ドイツ)
ハンブルグ・ムジークハレでのコンサート批評
(ボン・クラシック・フィルハーモニー管弦楽団との協演)

「日本からもたらされた新鮮な生気溢れる勢い」

より多彩な色は女性ピアニスト服部慶子さんの登場によってもたらされ、彼女の大胆なターコイズブルー色のドレスだけでなく何よりも彼女の生気溢れる演奏によって演奏会に命が吹き込まれた。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番の1楽章ではオーケストラはかなり前面に押し出されすぎる傾向を見せていたが、穏徐楽章になり突如秘密めいたピアニッシモで聴衆の耳をそばだたせた。この28歳の女性ピアニストはすでに著名なコンクールの賞を数多く受賞していた。

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2008/10  Wiesbadener Tagblatt紙およびWiesbadener Kurier紙 (ドイツ)
ヴィースバーデン・クーアハウスでのコンサート批評
(ボン・クラシック・フィルハーモニー管弦楽団との協演)

「若い女性ピアニストが幸せな雰囲気の息づく演奏を披露する」

このボン・クラシック・フィルハーモニー管弦楽団は若い音楽家を奨励することを目的としている。(中略)今回は、すでに数多くの受賞歴を持つ28歳の日本人女性ピアニスト服部慶子さんが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番ト長調の演奏を披露した。彼女の手からは、技巧的に完璧であり頭脳明晰に計画された微細な解釈で、幸せな雰囲気の息づく作品が生み出された。著しかったのは、タッチの幅広さや繊細な弱音が卓越した和音奏法に伴っていたことであった。トリルやアルペジオは非常に明確に響き、2楽章のアンダンテは交互に現れる弦楽器群との繊細な演奏によって古典的悲歌へと昇華し、終楽章のロンドはポルカ風の踊りによるテーマで生気に満ちあふれ生き生きとしたキャラクターをもたらした。熱狂的な拍手に応えて、彼女は技巧的に卓越したシューベルトの歌曲のパラフレーズ(フランツ・リスト編曲)を演奏した。

Richard Hörnicke氏)

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2008/07/08  SWR 2(ドイツ南西部国営ラジオ放送局)
13:05~ 「Mittagskonzert

「第20回ボーデン湖国際音楽祭」でのリサイタルより
ライヴ録音を放送

【プログラム】 ベートーヴェン: ピアノソナタ 変ホ長調 作品27-1
         「幻想風ソナタ」
        プロコフィエフ: ピアノソナタ第2番 ニ短調 作品14

URL: http://www.swr.de/swr2/programm/-/
id=661104/date=20080708/
p987p3/index.html#
bereichank2

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2008/06   服部慶子への推薦文より

日本人女性ピアニスト服部慶子さんは、音楽およびピアノとの大変自然で集中的な結びつきを持った芸術家の類に属しています。彼女は特に叙情的な素質・才能に恵まれたピアニストだと言えます。
私には今まで彼女の演奏を様々なレパートリーで聴く機会がありました。彼女の演奏解釈は、多彩で豊かな感受性や繊細さを伴った細部に至るまでの徹底した完成によって形作られています。彼女の音楽言語は非常に自然で確信に満ちており、彼女の生み出すピアノの響きは暖かく歌に溢れています。
服部さんはまた室内楽の分野やオーケストラのソリストとしても豊富な経験を持っています。
私はどのようなコンサート活動の種類にも、彼女を推薦したく思います。

パヴェル・ギリロフ (Pavel Gililov)
(ピアニスト、ボン国際ベートーヴェンピアノコンクール音楽監督、
ケルン音楽大学およびモーツァルテウム音楽大学 ピアノ科教授)

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2008/04  Schwäbische Zeitung紙
および Südkurier紙 (ドイツ)
第20回ボーデン湖国際音楽祭 テットナング・バロック城
リッターザールでのリサイタル批評

「若いピアニストが新旧の音楽の間に橋をかける」

テットナング ― 若くしてすでに活躍している日本人女性ピアニスト服部慶子さんは、彼女のリッターザールでのピアノ・リサイタルにおいてベートーヴェンとシューベルトのソナタの間にプロコフィエフを挟み、感嘆すべきやり方と卓越した演奏で新旧の音楽の発展過程を示した。
ベートーヴェンのソナタ第13番変ホ長調作品27-1では、この日本人女性ピアニストは集中した演奏の中で古典的な調和の瞬間をもたらした。繊細かつ素朴な演奏で、彼女は1楽章アンダンテでは静寂な楽章のキャラクターを損ねることなく、右手の静かな和音に特徴的に上行下降するバスの走句で生彩を添えた。そして不意に続くアレグロの1楽章中間部では、荒々しいオクターヴの動きと断続される和音の上行の渦によってキャラクターを急変させた。2楽章アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェでは、強弱の変化は聴衆に不安感を募らせ、少しずつ増大する対抗的な動きと激しいスタッカートによってテンションの高まりを構築した。それにより3楽章アダージョとのコントラストはますます具体化されたものとなった。情熱的なテーマがエネルギッシュな対旋律とともに打ち破るように登場する4楽章アレグロ・ヴィヴァーチェへの突如とした移行は、またこの音楽祭のテーマでもある「突破」を意味していた。様々に変化するクリスタルガラスのように澄んだ走句では迫り来るインパルスが明確になり、ロマン派そしてプロコフィエフで明快に示される前置きとして、歯車のかみ合いはいかにもピアニスティックなメロディーと和声の疾風と一致していた。
効果的だったのは、服部慶子さんがロシア人作曲家プロコフィエフが1912年に作曲したソナタ第2番ニ短調をその後引き続いて演奏し、1楽章で不協和な2度和声によって現代音楽への世界へと導いたことであった。疾走するパッセージや互いにかみ合う音型、稲妻のように素早い手の動き、大きく安定した跳躍、そして素晴らしく卓越した重音や和声を掴むテクニックが輝きを放っていた。そしてそれらすべては疑いの余地のないほどの明快さの中で行なわれたのだった。歌うように優しく憂うキャラクターの第2主題は、まだネオクラシック的要素を残していた。そして、彼女はまったく独自の非常に困難を伴うプロコフィエフのピアノ奏法上のテクニックにおいて、さらに精力的で活発な演奏によって魅了し、スケルツォ要素を持ち均一なリズムが脈動する2楽章にヴィルトゥオーゾの明確な個性を与えた。ゆったりとした3楽章は深く内省的で、彼女は反復するバスの音型を情感を込めて演奏し、終楽章は活発なリズムとトッカータ風の音の羅列に支配されまったく息をつかせぬほどであった。
さて、ここでロマン派はどのように対置されることができたのだろうか?この若いピアニストがシューベルトのソナタト長調作品78(D.894)を弾き始め、1楽章の和声的メロディーを歌うように繊細なタッチで演奏し、その際次々と現れる和声や表現の繊細さに求められるニュアンスの豊富な強弱をこの難しい表現描写に対して与えたことには非常に感嘆させられた。素朴で歌心に満ちて、彼女は突如力強い中間部で断絶される2楽章アンダンテを開始し、それに対して中間部で予期せぬ舞踊の要素が現れる3楽章メヌエットは生き生きとした対比を生み出していた。終楽章では、散発的に現れる様々な要素が愛らしくピアニスティックな推敲の中で、繰り返し牧歌的なキャラクターの主題に立ち返った。満場の拍手に応えて、彼女はむしろ少し恥ずかしそうな笑顔を浮かべ、アンコールにシューベルトの即興曲変イ長調作品142を演奏した。

Franz Josef Lay氏)

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2008/03/20  Deutschlandfunk(ドイツラジオ放送局) 「Festspiel-Panorama

「第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)ファイナル」より
入賞者たちの演奏を放送

【プログラム】 ベートーヴェン: ピアノ協奏曲 第4番 ト長調
作品58 ほか
(指揮: ローマン・コフマン ベートーヴェン・オーケストラ・ボン
ピアノ: 服部慶子)

URL: http://www.dradio.de/

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2008/03 Köln-Bonner Musikkalender紙 (ドイツ)
コレギウム・レオニヌム・ボンでのリサイタル批評

「完璧なベートーヴェンおよびシューベルトの演奏解釈」

本来ならば第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクールの優勝者は、服部慶子さんだったと言える。なぜなら彼女は コンクールの際第2位の他にも「聴衆賞」「最優秀室内楽演奏賞」「最優秀現代作品演奏賞」などすべての特別賞を受賞したのだから。そのため、彼女はボンの聴衆たちにとても好意的な印象を残しており、彼女のリサイタルによって満員かつ売切となったコレギウム・レオニヌムの旧教会にて、若いピアニストたちのコンサートシリーズである「Piano Plus」の輝かしい2008年度の幕開けとなったのだった。
彼女は完璧に巨大なファツィオーリ製グランドピアノを支配していたー―驚くほど完璧に!しかもほとんどベートーヴェンコンクールの際の選曲と重なる作品ばかりにも関わらず、新しく作品を耳にした時のような新鮮さでもって。服部さんは緻密かつ自由な即興性溢れる演奏でベートーヴェンの幻想曲作品77を現代音楽への先駆けとして描き、歌うようなアダージョの挿入部との巧みなコントラストを生み出していた。その後引き続いて演奏されたベートーヴェンのピアノ・ソナタイ長調作品101では、彼女は技巧的かつ卓越した演奏で魅了した。
そして、この日本人ピアニストのリサイタルはシューベルトのト長調ソナタ D.894で最高潮を迎えたのだった。彼女の成熟した演奏様式、極めて洗練された美しいニュアンスのタッチ、構築力、繊細な強弱法、そして何よりロマンティックな「ファンタジー」あふれる彼女の作曲家への深い共感が演奏に込められていた。

Gunter Duvenbeck氏)

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2008/02  Bonner Rundschau紙 (ドイツ)
コレギウム・レオニヌム・ボンでのリサイタル批評

「素晴らしいシューベルト」

今年の「ピアノ・プラス」ツィクルスは、昨年第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクールで第2位の他すべての特別賞を受賞した服部慶子さんのリサイタルで開始されることとなった。(中略)彼女はコンクールでも強烈な印象を残したベートーヴェンの幻想曲作品77、ピアノ・ソナタ作品101、そしてシューベルトのピアノ・ソナタ「幻想」をプログラムに選んだ。
服部慶子さんはシューベルトのピアノ・ソナタ「幻想」ト長調の素晴らしい演奏解釈を聞かせ、また巨大なファツィオーリ製グランドピアノから見事な音色を引き出した。この楽器が可能にするピアノの様々な音域での響きは、シューベルトに必要な音響によく合致し、ウィーンのベーゼンドルファー製グランドピアノの響きを思わせた。服部慶子さんのまったく自然で流れるような演奏では、スフォルツァートはきつい打撃ではなくうまく音楽に取り込まれていた。それはト長調ソナタだけではなく、彼女が拍手に応えてアンコールで演奏したシューベルトの即興曲変イ長調作品142-2でも適応された。(中略)中間部での3連符上のアクセントについては、おそらくシューベルトは自身のメロディーラインを探すための自由を演奏者に与えたのだろうと思われるが、そこでも服部慶子さんは魅力的なニュアンスを加えた。

H. D. Terschüren氏)

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2008/01 General Anzeiger紙 (ドイツ)
コレギウム・レオニヌム・ボンでのリサイタル批評

「集中的な静寂に支配された演奏会」

第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクールの第2位受賞者である服部慶子さんがコレギウム・レオニヌムでのリサイタルにおいてベートーヴェンの幻想曲ロ長調作品77を演奏し始めた時、不意に記憶が甦ってきた。服部さんはこのリサイタルをもって、彼女に引き続きベートーヴェン国際コンクールでの参加者たちが並ぶ今年のコンサートシリーズ「ピアノ・プラス」を開幕したのだった。彼女のレオニヌムでの演奏は並外れて素晴らしい生き生きと立ち現れる描写と決然とした堂々たる音楽性によって傑出していた。ファツィオーリ製グランドピアノの特別な音響的性質による制限をまったく感じさせず、反対にむしろさらに明確なコントラストが構築された。ベートーヴェンのピアノ・ソナタイ長調作品101でも、この成熟した演奏家は何を表現したいのかはっきり自覚していることを示した。平板化されたものはまったくなく、楽章の構造やテンポは適切であり、熟考の上に構築されていた。さらに、繊細なタッチによってほとんど高貴とも言うべき音響が形作られていた。
シューベルトのト長調ソナタ作品78では、服部さんはロマン派のレパートリーにも精通していることを証明した。彼女はこのソナタの特異な独自性を引き出し、このソナタの持つ静寂に支配された性格を引き立たせ強調する彼女の芸術性はここで集中的な構築力の中に発揮された。

Guido Krawinkel氏)

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2008/02  音楽雑誌「FONO FORUM」2月号 (ドイツ)
第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)
ファイナルについての記事

ボンで昨年末第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクールが開催された。そこでは、審査員たちが技巧的には安定しているが音楽的には必ずしも最も才能に恵まれているわけではない演奏者を優勝者に押し上げたことが、改めて示された。
ファイナルの前には、これまでのいくつものラウンドで大きな確信を持って演奏してきた日本人ピアニスト服部慶子について、多くの有利な事柄が聞こえた。音楽の熱狂的な愛好家で音楽雑誌「FONO FORUM」の読者でもあり、コンクールの全てのラウンドの演奏を聴いてきたある女性は、韓国人ピアニストYung Wook Yooがなぜこれまで通過してきたのか毎回首を傾げたと語った。「こういう人が、結局最後には優勝したりするのよね」と、彼女はウィンクしながら言った。(中略)
服部慶子は結局、全く独自で素晴らしい色彩豊かな輝かしい響きをピアノから引き出し聴衆を魅了することができた唯一の演奏者であった。そして彼女のベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番の演奏には、音楽的なルーティンや習得したことから超え出て、彼女の叙情的な個性が表れる瞬間がたくさん存在していた。
彼女はこれまでのラウンドでも強烈な印象を残したため、加えて2つの特別賞をも受賞することとなった。

Gregor Willmes氏)

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2008/01 クラシック音楽情報サイト「WEBぶらあぼ」より

ベートーヴェン国際ピアノ・コンクールで服部慶子が第2位

2007年12月3日~13日にドイツ、ボンで開催された第2回「ベートーヴェン国際ピアノ・コンクール」で服部慶子が第2位を受賞した。服部は聴衆賞、最優秀室内楽演奏特別賞、および最優秀現代音楽作品演奏特別賞も受賞している。第1位はユン・ウー・ヨー(韓国)、第3位はディミトリ・デミアーシュキン(ロシア)。
服部慶子は1979年生まれ。東京芸術大学附属音楽高等学校を経て、同大学器楽科を卒業。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学演奏家課程を修了後、同大学大学院にロームミュージック・ファンデーション奨学生として在籍。カール・ハインツ・ケマーリング教授のもとで研鑽を積みながらヨーロッパを中心に活躍している。第17回シューベルト国際音楽コンクールにて総合優勝、第8回ケルン国際ピアノ・コンクール特別賞、ロベルト・シューマン協会のシューマン賞などを受賞している。また、2004年にはヴァイオリンの北門郁子、クラリネットのベアトリス・ロペスとPamina Trioを結成し、トリオとしても活躍。

URL: http://www.mde.co.jp/doc.id?id=20080118192920552

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2008/01/01  WDR 3(ドイツ西部国営ラジオ放送局)

「第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)ファイナル」より
入賞者たちの演奏を放送

【プログラム】 ベートーヴェン: ピアノ協奏曲 第4番 ト長調
作品58 ほか
(指揮: ローマン・コフマン ベートーヴェン・オーケストラ・ボン
ピアノ: 服部慶子)

URL: http://www.wdr.de/radio/wdr3/

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2008/01  ORF 1(オーストリア国営ラジオ放送局)
ウェブサイト
服部慶子及びPamina Trioについてのインタビュー記事

オーストリアを拠点に活躍する若い芸術家を紹介する「Ö1 Talentebörse」でのインタビュー。ソリストとして、またPamina Trioのメンバーとして服部慶子の活動が写真やオーディオファイルなどと共に紹介されています。

URL: http://oe1.orf.at/highlights/114571.html

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2007/12  Rheinischer Merkur紙 (ドイツ)
第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)についての記事

カール=ハインツ・ケマーリング教授のもとで研鑽を積んでいるこの28歳の日本人ピアニストは、東京藝術大学を最優秀の成績で卒業後、彼女の理想とするシューベルトの祖国へと研鑽の場を移した。そこで初めて音楽的な構築能力を完成させたのだった。彼女のオーストリアへの思いは?「私はシューベルトや彼の音楽を愛しています。そして、シューベルトは自然をとても愛しました。彼や他の作曲家を本当に深く理解するために、彼らの生きていた環境に身を置いて生活し、歴史的な場所を訪れることは、私にとってとても助けになるのです。」服部さんのシューベルトを聞く者であれば、彼女の発言はよく理解できるはずだ。彼女のシューベルトは、優しい音響の魔法である。ベートーヴェンでは彼女は感銘を与え、アルバン・ベルグのソナタ作品1では構築力と音響において並外れた演奏を披露した。ベートーヴェン国際ピアノコンクールの委嘱作品であるレーラ・アウアーバッハの「ルートヴィッヒの悪夢」においては、彼女は最も論理的で説得力のある充実した演奏解釈を示した。

Hilde Malcomess氏)

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2007/12  Bonner Rundschau紙 (ドイツ)
第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)受賞者
記念演奏会についての記事

その後引き続き28歳の日本人ピアニスト服部慶子さん(第2位)がベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番ホ長調作品109を演奏した。彼女は最初の音からすでに非常に高い集中力を発揮し、緊張感を持って果てしなく続く大きなフレーズを構築した。そして聴衆を実際に彼女の音楽的な考えに引き込んだのであった。この注目に値するピアニストに聴衆賞が贈られるに至ったのも、十分に納得できる次第である。

Felicitas Zink氏)

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2007/12  General Anzeiger紙 (ドイツ)
第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)受賞者
記念演奏会についての記事

「自然な優雅さ」

彼女がベートーヴェン後期のソナタ変ホ長調作品109に没頭すると、すでに本コンクールの1次予選で演奏した曲目ながらまだ語るべきものを持っている。服部慶子さんはすっかり音楽の世界に没入し、形式上の断片を説得力のある音楽的論理と結びつけてまとめる。
第1楽章のプレリュード風の始まりは、彼女の演奏では、もう一つの全く自立した対立的主題の始まりと共に消えるような音楽的考えとして響くのではなく、彼女はその音楽的考えを素晴らしいやり方で有機的に双方の主題へ働かせる。彼女の繊細かつ力強いタッチで、彼女はスタインウェイ製のピアノから、繰り返し感嘆させられると同時に全く自然である響きのニュアンスを引き出す。第2楽章では彼女のヴィルトゥオーゾな能力を極度に洗練された方法で示した。
そして変奏曲形式である最後の楽章は、この夜一秒たりとも聴衆を惹きつけない瞬間はなかったほどの吸引力を持った壮大な抒情詩的叙述となった。彼女は細部に至るまで思いを込めて演奏し、かつ同時に大きなフレーズを構築することも忘れなかった。

Bernhard Hartmann氏)

URL: http://www.general-anzeiger-bonn.de/index.php?k=news&itemid=10003&detailid=392604

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2007/12  ベートーヴェン国際ピアノコンクール
 公式ウェブサイト
第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)ファイナルについての記事

「『ごく僅かの差だった』と審査員長パヴェル・ギリロフ氏は審査員の決定について語った。『我々は完全にまた意見が分かれた』。まったく僅差でなかったのは、聴衆賞の投票結果であった。著しく優勢で聴衆は服部慶子さんを彼らの優勝者として選出し、さらにこの魅力的な日本人ピアニストは最優秀現代作品演奏者に贈られる特別賞と、ドイツ人ピアニストダヴィット・マイヤーさんと分け合った最優秀室内楽演奏者に贈られる特別賞を持ち帰ることができた。
・・・服部慶子さんはピアノを歌わせる。彼女のロマンティックな精神から生み出されたピアノ協奏曲ト長調作品58の解釈は大きなフレーズの中で呼吸している。一つ一つどのタッチにおいても言葉に表現できないものがたくさん共鳴していて、注意深い聴衆に色彩豊かで感情に満ちた魔法の世界を開く。鍵盤上での強引な力を服部さんは使うわけではなく、しかしまた曖昧なメロディーの陶酔感もほとんどない。適した表現を用いるなら、この28歳の日本人ピアニストは彼女の叙情的な基調に必要な強調を加えていく。」

URL: http://www.beethoven-competition-bonn.de/2007/de/preface_finale-article.html

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2007/12  Bonner Rundschau紙 (ドイツ)
第2回ベートーヴェン国際ピアノコンクール(ボン)
セミファイナルについての記事

服部慶子さんはアルバン・ベルグのソナタで夢のように素晴らしい演奏解釈を示した。彼女がどのようにカデンツの秩序に支配された古典的なソナタの型をアーノルド・シェーンベルグの影響下にあるアルバン・ベルグの初期のピアノ作品に写し取ったかは、驚嘆すべきことである。彼女の信じられないほど明晰で表情豊な演奏が、アルバン・ベルグの作品が今後頻繁に舞台に上ることを後押しするならば、ベートーヴェン国際コンクールは副次的効果をもたらすことになるだろう。この日本人ヴィルトゥオーゾピアニストは何を演奏しても素晴らしく、その上コンクールの委嘱初演作品であるレーラ・アウアーバッハ作曲「ルートヴィッヒの悪夢」をも壮大な緊張感溢れる音楽に仕上げた。

H. D. Terschüren氏)

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2007/12  Klassik.com ウェブサイト (ドイツ)
ドイツのクラシック・ポータルサイト「Klassik.com」による
服部慶子のインタビュー記事 (原文執筆:ミケル・カブルヤ)

1979年生まれの日本人ピアニスト服部慶子さんが今年のベートーヴェン国際ピアノコンクールのセミファイナルで演奏する直前、ちょうど少し彼女にインタビューする時間があった。インタビュアーである私ミケル・カブルヤがボン大学にて、この技術的に完璧なピアニストからシューベルトとベートーヴェンという2人の作曲家への特別な愛情について話を聞いた。その間にも、セミファイナル会場となったボン大学講堂の前にはたくさんの聴衆たちが参加者の演奏を聴きに詰めかけていたのだった。

―服部さん、これまでのコンクールのラウンドでは本当に素晴らしい演奏を披露されていました。なおかつドイツ語がとてもお上手ですね。ヨーロッパにはいつからお住まいなのですか?
服部: 私はピアノ演奏にたいする知識をより深めるため、2001年からオーストリアに留学しています。もちろんヨーロッパでピアニストとしてキャリアを築きたいという希望はありますし、それが目標でもあります。しかし、それが唯一というわけではありません。私は室内楽奏者としても活動していて、日本人ヴァイオリニスト北門郁子さんとスペイン人クラリネッティストのベアトリス・ロペスさんとPamina Trioを結成しています。トリオでもすでにいくつかのコンクールで優勝させていただいていて、オーストリア、ドイツ、スペイン、日本などで演奏活動を行なっています。
―服部さんにとって、室内楽奏者としての活動と、このベートーヴェン国際コンクールでの入賞によって確実に飛躍するであろうソリストとしてのキャリアと、どちらが重要だとお考えですか?
服部: 私にとってはどちらも大変重要です。というのもこれらはまったく異なる分野であって、双方がそれぞれ私の創造表現のかたちであると思っています。
―そもそもこのコンクールを受けようと思ったきっかけは?
服部: 私の師であるケマーリング先生が私に受けるよう勧めてくださったのです。
―今回のコンクールで服部さんにとって一番重要なことは?
服部: 私にとって最も重要なことは、ベートーヴェンの生地であるボンで演奏することだと思います。
―このコンクールでは、もちろん必要とされるレパートリーがベートーヴェンと大きな関わりを持つものばかりですが、ベートーヴェンは服部さんにとってすでにお持ちのレパートリーの一部だったのでしょうか?それともこのコンクールのためにほとんどの作品を学ばれたのですか?
服部: もともとベートーヴェンとシューベルトは私の主要レパートリーであり、例えば2次予選で演奏したベートーヴェンのピアノソナタイ長調作品101はすでに3年前からレパートリーとして持っている作品です。
―あと数時間後に服部さんはセミファイナルの舞台に立つわけで、おそらくファイナルにも到達されることでしょう。服部さんの主要レパートリーや室内楽作品の傍らで、20世紀の作品と現代音楽作品(コンクール委嘱作品)もまた課題となっています。これらの課題は、服部さんに悪い影響を及ぼす要因となりますか?
服部: いいえ。今回他のセミファイナリストの方々も選んでいるレーラ・アウアーバッハ氏の作品(コンクール委嘱作品)は、私にとって個人的にとても興味深いものがあります。何より作品の背景には、ベートーヴェンへのオマージュが隠されているのです。さらに20世紀の作品ではアルバン・ベルグのピアノソナタ作品1を演奏しますが、私はこの作品をとても高く評価していますし、ここにもベートーヴェンからのとても多くの影響を感じるのです。ベルグだけでなく同時代の作曲家たち、例えばシェーンベルグやウェーベルンなどもウィーン古典派やベートーヴェンから大きな影響を受けています。この「時代と作曲家たちの関係」というのは、私にとってとても興味を惹かれる要素です。
―ということは、今回演奏する作品同士の横のつながりや関連を大事にされているということですね?
服部: はい。例えばアウアーバッハ氏の作品では半音階進行が多くあらわれます。そして、それはベルグのピアノソナタでも同じことがいえます。ここにある種の関連が生まれるわけで、だからこそ2つの作品が互いにうまく調和し合うのだと思います。
―先ほどボンは服部さんにとってベートーヴェンの生地という意味があるとおっしゃいましたね。ベートーヴェンの生家にはすでに行かれましたか?
服部: (笑って)はい、もちろん2年前に!

URL: http://magazin.klassik.com/feature/template.cfm?
ID=1182&Feature=Beet&CFID=9762091
&CFTOKEN=94186989

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2007/11  音楽雑誌「音楽現代」11月号
特別インタビュー「『ヤマハ音楽支援制度』対象者に訊く」

音楽教育・普及活動を通して、社会教育の振興・音楽文化の向上を目指した活動を行なっている財団法人ヤマハ音楽振興会は、音楽の勉学を志す学生(留学生を含む)に対して、奨学金などの経済支援を行うほか、若手演奏家や作曲家の音楽諸活動、音楽をテーマとするあらゆる研究活動を支援する「ヤマハ音楽支援制度」を設けている。
今回は、2006年度の「研究活動支援」対象者の千葉大学大学院准教授・岩坂正和さんと「音楽(演奏)活動支援」対象に選ばれたパミーナ・トリオのメンバーにお話をうかがった。(中略)

【音楽活動支援】 Pamina Trio(パミーナ・トリオ) 北門郁子さん、服部慶子さんに訊く (訊き手=菅野泰彦)
―今回、ヤマハ音楽支援制度「音楽活動支援」に応募された理由を教えてください。
北門・服部 東京藝術大学在学中に、ヤマハ音楽支援制度の「国内奨学制度」より奨学金をいただいていたことで音楽活動支援の存在を知っていました。若手を中心にユニークな音楽活動への支援を行なっているということで、今回日本でリサイタルを開くにあたり(「Pamina Trioリサイタル ~弦楽器・管楽器・鍵盤楽器の競演~」2007年7月横浜・高松にて開催)応募してみようと思いました。私たちは、クラリネット、ヴァイオリン、ピアノという特殊な楽器編成で、まだ世の中に知られていない優れた作品を積極的に演奏し魅力を伝えることを活動の柱にしておりましたので、それを認めていただけたのではないかと思っています。
―なかなか耳にする機会のない楽器編成ですが、このトリオ結成のきっかけは?
北門 2004年の夏にザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学のカリキュラムで室内楽を履修したのがきっかけで、服部さん、ベアトリス・ロペスさんと、Pamina Trioの結成に至りました。
服部 特色の異なる楽器の3人が競合し合う面白さがこのトリオの魅力になっていると思っています。
―日本でのリサイタルのプログラムはどのようなものでしたか。
北門 ミヨーやストラヴィンスキーの組曲、バルトークの「コントラスツ」、ハチャトゥリアンなど、近・現代の曲中心で、ファンタジーや民俗音楽、ジャズの要素を扱った楽しい楽曲が多かったです。
―日本でのリサイタルで何か苦労されたことなどはありましたか?
北門 ヨーロッパでは古い教会や宮殿で演奏することが多くいつも自然とお客様が集まるのですが、今回の横浜みなとみらい小ホールのような規模感の近代建築のコンサートホールで演奏するのはトリオとしては初めてでしたので、集客に苦心しました。現代曲を難しいと捉えている方も多いからだと思いますが、当日のプログラムは、ジャズや民俗音楽の要素も多かったので、リサイタルは好評でした。
―音楽支援制度を受けてみていかがでしたか?
北門・服部 日本では演奏会を開催するにあたり色々と費用がかかりますので、財政面の援助をいただけ大変助かりました。また、「ヤマハ音楽支援制度支援対象公演」という宣伝効果もあり大変ありがたく思っています。
―同じ7月に、ヤマハ音楽支援制度研究活動支援対象者である千葉大学大学院岩坂准教授の実験に協力されたそうですね。
服部 岩坂さんとは支援制度授与式で初めてお会いし、研究に協力することになりました。演奏中の脳血流の変化を計測する実験で、装置を頭につけてシュタールとストラヴィンスキーを演奏しました。
―実験の結果はいかがでした?
北門 服部さんは右脳だけが、私は左脳も右脳も多く変化が出ていたようです。その変化がそのような意味を持つのか、今後の研究が楽しみですね。
―今後はどういう活動を?
北門 新しい曲に挑戦していきたいです。チェロを加えてメシアンやヒンデミットなども演奏していきたいです。現代曲は手書きの状態で出版されている場合が多くて、読むのが大変ですが、その分、譜面からしっかり研究できます。
服部 楽器を増やして「カメラータ・パミーナ」も組織する予定です。12月のスペインでのコンサート・ツアーは、チェロを加えてメシアンの「世の終わりのための四重奏曲」を演奏します。日本でも活動の場を増やして、現代音楽の魅力を伝えていきたいと思います。
―ありがとうございました。

パミーナ・トリオ=2004年、ザルツブルグにて北門郁子(ヴァイオリン)、ベアトリス・ロペス(クラリネット)、服部慶子(ピアノ)によって結成された。第7回ヴィナロス国際室内楽コンクール、第5回マルコ・フィオリンド国際音楽コンクールにて第1位受賞。これまでヨーロッパにて多くのリサイタルをはじめ、コンサートツアーや音楽祭にも招聘された。2007年7月日本でデビュー・リサイタルを行い、好評を博した。

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2007/09  音楽雑誌「音楽の友」9月号 批評欄より

2007年7月20日(金)横浜みなとみらい小ホールでのPamina Trioリサイタルを評して

「パミーナ・トリオ」
北門郁子(vn)、ベアトリス・ロペス(cl)、服部慶子(p)がモーツァルテウム音大在学中、04年に結成したトリオだが、ヴィナロス国際室内楽コンクール優勝など、あちらでは評価の非常に高いアンサンブル、とは耳にしていたのだが、なるほど聞きしに勝るトリオ、と思わされた。
トリオが醸し出す音色とそのブレンド、ハーモニーはいたって豊潤であり、演奏技術は当然、バランス感覚、音楽構築力なども頭抜けて高い腕利きである。その闊達な演奏を展開させたのは、ストラヴィンスキー《兵士の物語による組曲》だったが、そこでは先鋭なセンスも閃いた。
ミヨー「ヴァイオリン、クラリネット、ピアノのための組曲」も演奏は円転滑脱。〈序曲〉の音楽が自在に跳ね躍る弾力性、〈喜遊曲〉でのヴァイオリン、クラリネットのウィットある対話、ピアノが叙情美でこれを支え、と大変柔軟で愉悦的だった。
そして優美で詩的だったのが、モーツァルト、K498の「トリオ」。クラリネット、ヴィオラが情感こめて歌う主題が極めて美しく、音楽のたおやかな波動が、緊密なアンサンブルですすむ。終始、目のつんだ演奏であり、音楽美をすっかり堪能させられた。(7月20日・横浜みなとみらいホール〈小〉)

(小山 晃氏)

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2007/09  月刊「中部経済界」9月号
中部音楽界 コンサート&ステージ

2007年7月18日(水)名古屋・電気文化会館でのPamina Trioリサイタル(主催:アート・アシスト)を評して

「パミーナ・トリオ・リサイタル」

ヴァイオリン、クラリネット、ピアノと云う特殊な編成のグループの日本お披露目ツアーを見つけた。ザルツブルグのモーツァルテウムで学んでいた北門郁子(Vn)、ベアトリス・ロペス(Cl)、服部慶子(Pf)により2004年に結成、以後多くの国際コンクールを制しているパミーナ・トリオである。
プログラムは、ストラヴィンスキー、ハチャトゥリアン、ミヨー、モーツァルト、そしてバルトーク、と、およそこの編成で考えられる著名な作品の全てではないかと思われるほどのものだった。
第1曲は「兵士の物語」による組曲。ストラヴィンスキー特有のヴァイオリンが快い。そして幾分控えめなクラリネットとのバランスが絶妙で、俄然コンサート全体への大きな期待が高まった。その匂いたっぷりなハチャトゥリアンに続いて演奏されたミヨーでは、前週同じ開場で演奏されたそれと全く異なった作品を聴く思いがした。
このグループでピアノは、蓋を半開にしていたが、これはホールの音響に即した非常に賢明な選択だった。この状態でピアニストのよくコントロールされたタッチは、決して響きを曖昧にすることなくアンサンブルをしっかり支えていた。ヴァイオリニストのボウイングも美しく、クラリネットの暖かみに包まれた音色とともに、全体が非常に吟味されたアンサンブルに仕上がっていたことに敬服した。
近現代作品に挟まれたモーツァルト「ケーゲルシュタット・トリオ」(ヴィオラは北門が持ち替え)は機能和声のもたらす安堵感に満ちて美しく響き、最後のバルトーク「コントラスツ」への心の準備となった。私事ながら、半世紀ほども前にレジナルド・ケルのクラリネットで聴いたこの曲のレコードに大変ショックを受けたことが突然脳裏に甦り、快いタイムスリップ感にひたりつつコンサートが終わった。
冒頭に述べたように特殊な編成故にレパートリーを開拓することが困難な面が気がかりではあるが、上質な室内楽への手懸かりを確実に掴んでいるだけに、今後の活動に大いに期待したい。

(鈴木 詢氏)

URL: http://www.runde.jp/js/essay/y_07/e_0709.html

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2007/07 Pamina Trioリサイタルについての掲載記事

音楽雑誌「ムジカノーヴァ」 7月号、 音楽雑誌「レッスンの友」 7月号
音楽雑誌「音楽の友」 7月号 (UNA VOCE)
※Pamina Trio一同によるコメントが写真付きで掲載されています。

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Pamina Trio ラジオ番組およびケーブルテレビ局番組への出演

■放送日: 7月4日(水)
■放送局: ケーブルテレビせたまち (世田谷・多摩地区・町田をエリアとするケーブルテレビ局。詳しくはhttp://setamachi.jcommunity.net/をご覧ください。7月4日から1週間ケーブルテレビせたまちウェブサイトにて番組の模様を視聴できます。)
■番組名: ホームタウンせたまち
■放送時間: 毎週水曜 午後5:00から30分間放送

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■放送日: 7月6日(金)
■放送局: FMサルース (横浜市青葉区を拠点とするラジオ局。詳しくはhttp://www.fm-salus.jp/をご覧ください。)
■放送時間: 午後7時台放送
■周波数: 84.1MHz

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■放送日: 7月7日(土)
■放送局: FM高松コミュニティ放送 (香川県高松市を主要エリアとするラジオ局。詳しくはhttp://www.fm815.com/をご覧ください。)
■番組名: SMOOTH MUSIC
■放送時間: 毎週土曜 午前11:00から30分間放送
■パーソナリティ: 菅 ゆり
■周波数: 81.5MHz

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Pamina Trioリサイタル京都公演についての告知

■放送日: 7月4日(水)
■放送局: 京都リビングエフエム FM845 (京都市を主要エリアとするラジオ局。詳しくはhttp://www.fm-845.com/をご覧ください。)
■番組名: 洋盤グラフィティ
■放送時間: 毎週水曜 午後3:00~午後5時30分放送
■パーソナリティ: 葛山知佳子
■周波数: 84.5MHz

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2007/05  Freie Presse 紙
ドイツ・ツヴィッカウのシューマン生家で行われたロベルト・シューマン協会主催リサイタルを評して

「若いピアニストが感動を与えた」

【ツヴィッカウ】ツヴィッカウに拠点を置くロベルト・シューマン協会とツヴィッカウ「ロベルト・シューマン」ライオンズクラブが共催した水曜日のシューマン生家でのコンサートには、数多くの音楽愛好家たちが詰めかけた。プログラムには、稀にしか演奏されずヴィルトゥオーゾな作品であるベートーヴェン「幻想曲 作品77」(1809年作曲)、とても高い技能が要求されクララ・シューマンが愛好したベートーヴェン「ピアノソナタ イ長調 作品101」(1816年作曲)、そしてシューマンが同時代の作曲家リストへ献呈した素晴らしい「幻想曲 ハ長調 作品17」(1836年作曲)が並んだ。
・・・服部慶子さんはテクニックおよび感情表現の完璧さを確信を持って示し、そのため聴衆から熱烈な拍手を受けていた。そして聴衆に応えてアンコールにシューベルトの即興曲を演奏した。

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2007/04  財団法人ヤマハ音楽振興会 ウェブサイト
広報誌ymf

『ヤマハ音楽支援制度 「研究活動支援」「演奏活動支援」対象者決定』

ヤマハ音楽振興会が社会貢献活動の一環として発足させた「ヤマハ音楽支援制度」の「研究活動支援」および「演奏活動支援」の本年度対象者が決定し、3月26日にラディソン都ホテル東京で授与式が行われた。
・・・また、2004年より活動を開始し、現代音楽に情熱を燃やすパミーナ・トリオ、10歳より小松亮太に師事しマルコーニ自身に教えを請いに行く弱冠16歳の三浦氏、音楽と他ジャンルとの融合の可能性を模索する松本氏は、それぞれの活動を熱っぽく紹介した。その後の懇親会で活発な対話があちこちで繰り広げられたのも実に印象的だった。

URL: http://www.yamaha-mf.or.jp/ymf/no47/contribution/cont01.html

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2007/04  Lindauer Zeitung 紙
若い巨匠のためのリンダウ国際音楽祭 (ドイツ・ボーデン湖畔)
フォールム・アム・ゼー コンチェルト・ザールでのリサイタルを評して

・・・服部慶子さんが柔らかなタッチでまるで真珠を転がすように繊細に演奏し、またある時はダイナミックの幅が強烈な音響の爆発にまで達したベートーヴェンのソナタ変ホ長調作品109は、なんて愛らしくそしてこまやかな優しさあふれて響いたことだろう。

URL: http://www.szon.de/lokales/lindau/
lokales/200704120431.html

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2006/12  音楽雑誌「ムジカノーヴァ」 12月号
News&Events 「受賞」より

第61回ジュネーヴ国際音楽コンクールピアノ部門で服部慶子さんに特別賞

10月にスイスのジュネーヴでおこなわれたジュネーヴ国際コンクール2006ピアノ部門で、服部慶子さんがGeorges Leibenson特別賞を受賞した。服部さん(27歳)は東京芸大卒業、現在はザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学大学院に在籍中。

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2006/12  音楽雑誌「音楽の友」 12月号
MINI NEWS 「コンクール・受賞」より

「第61回ジュネーヴ国際音楽コンクール」

10月15日までジュネーヴで行われた同コンクールのピアノ部門で、(中略)服部慶子にGeorges Leibenson特別賞が贈られた。

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2006/11  El Punt紙 11月15日付
Pamina Trioリサイタルを評して

演奏者: Pamina Trio
演奏会日時及び開催地: 2006年11月12日(日)、Porqueres, Centre Civic

2004年世界的に有名なモーツァルテウム音楽大学にて結成されたPamina Trioは、ストラヴィンスキーによる「組曲『兵士の物語』」を成熟した音楽性で相互に補助し合いながら演奏し、このロシア人作曲家が本作品に用いている様々な音響構造を聴衆に理解させるために、これらポリフォニーに対してどのようなリズムや音色を与えるべきかを的確に把握していた。
1936年にダリウス・ミヨーが作曲した「組曲 Op.157b」では、彼女たちはとても豊富な音色のパレットを使って演奏した。音響こそが最も大切な構造上の要素となるこの種の作品において、豊富な音色のパレットは本質的にとても必要なものである。
第2部は、モーツァルトが1876年に作曲した「ケーゲルシュタット・トリオ KV.498 Es-Dur」で始まった。ヴィオラ・クラリネット・ピアノという斬新かつ珍しい編成によって書かれたこの作品で、演奏会の質が常に向上していることが示された。Pamina Trioがこの作品を通して行なった解釈には、素晴らしいテクニックを様々な美的感覚に適合させる彼女たちの能力が伴っていた。
ハンガリー人作曲家ベラ・バルトークによる「コントラスツ」では、彼女たちは全精力とノウハウを演奏に注ぎ込み、シゲティとグッドマンに捧げられた本作品の音楽言語を処理するのに必要な相互の信頼性を演奏にて発揮し、Pamina Trioの確固とした音楽性が20世紀のレパートリーで示された。

Josep Jofre氏)

URL: http://www.vilaweb.cat/www/elpunt/noticia?p_idcmp=2137184

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2006/11  Radio Sant Cugat ウェブサイト
Pamina Trioリサイタルについての記事

Pamina Trioメンバーでクラリネット奏者のベアトリス・ロペスさんのインタビューが視聴できます。

URL: http://www.radiosantcugat.com/index.php/informat/
cultura/25087.htm

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2006/11  www.povet.com ウェブサイト
第8回ヴィナロス国際室内楽コンクール優勝者、
及びPamina Trioによるコンクール・オープニングリサイタルについての記事

コンクールの開幕後、2005年度の同コンクール優勝者であるPamina Trioが素晴らしい演奏会を開催した。彼女たちは前半にストラヴィンスキー、ミヨー、ハチャトゥリアンを、後半にモーツァルトとバルトークを演奏し、リサイタルは華々しく締めくくられた。

URL: http://www.povet.com/actualidad/detnoticia.php?id=9920

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2006/10 classic NEWS//クラシック・ニュース ウェブサイト
第61回ジュネーヴ国際音楽コンクールピアノ部門についての記事

日本人ではピアニストの服部慶子が『Georges Leibenson』特別賞を贈られた。
*服部慶子は現在オーストリアに在住し(ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学大学院在籍)、ヨーロッパを拠点に活動している。

URL: http://www.music.co.jp/classicnews/c-news/2006/1015-1021.html

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2006/07  モントセラート国際室内楽音楽祭 ウェブサイト
Pamina Trioリサイタルについての記事

URL: http://simc.montserrat.es/index.php?option=com_frontpage&Itemid=1

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2006/06 音楽雑誌「ムジカノーヴァ」 6月号
News&Events 「受賞」より

「第12回カルロ・ソリヴァ国際室内楽コンクール」で
Pamina Trioが第3位

2006年3月22日~26日イタリアのカザーレ・モンフェッラートでおこなわれた第12回カルロ・ソリヴァ国際室内楽コンクールで、Pamina Trioが第3位(第2位なし)を受賞。
Pamina Trioについてはピアノの服部慶子氏の公式ウェブサイトに詳しく紹介されている。

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2006/06  モーツァルテウム音楽大学情報誌
「UniArt」 6月号 「Erfolge」より

ヴァイオリン:北門郁子さん(オジム教授クラス在籍)、クラリネット:ベアトリス・ロペスさん(ブランドホーファー教授クラス在籍)、ピアノ:服部慶子さん(ケマーリング教授クラス在籍)で結成されたPamina Trioが、2006年3月カザーレ・モンフェッラート(イタリア)にて行なわれた第12回カルロ・ソリヴァ国際室内楽コンクールで第3位を受賞しました。

URL: http://www.moz.ac.at/german/info/
aktuell/pdf/2006_06.pdf

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2006/04   Pamina Trioへの推薦文より

パミーナ・トリオは卓越した技術とヴィルトゥオジティで楽器を思いのままに操ることのできる、素晴らしい才能あふれる3人の音楽家によるアンサンブルです。特に、本物のアンサンブルの精神を生むのに必要な、彼女たちのぴったりと合った息には魅了されます。
緊張感を保ちながら大きな音楽を描き、最も難しいとされる作品でも演奏によって深い感銘を与えることができる能力――その芸術家としての資質に十分恵まれており、彼女たちの放つオーラには驚くべきものがあります。すべてが域を超えています!
私は彼女たちアンサンブルの今後の活躍をお祈りしています。

コルデリア・ヘーファー (Cordelia Höfer)
(ピアニスト、モーツァルテウム国立音楽大学 ピアノ科教授)

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2006/03  カルロ・ソリヴァ国際コンクール ウェブサイト
第12回カルロ・ソリヴァ国際室内楽コンクールについての記事

URL: http://www.soliva.it/sito/concorso_XII.htm

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2006/03 Il Monferrato新聞 ウェブサイト
第12回カルロ・ソリヴァ国際室内楽コンクールについての記事

URL: http://www.ilmonferrato.it/index.php?LINK=manifestazioni

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2006/03  音楽雑誌「ムジカノーヴァ」 3月号 
News&Events 「受賞」より

「第7回マルコ・フィオリンド国際音楽コンクール」室内楽部門でPamina Trioが第1位

2005年12月8日~11日イタリアのニケリーノでおこなわれた第7回マルコ・フィオリンド国際音楽コンクール室内楽部門で、Pamina Trioが第1位を獲得した。このトリオはザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学に在籍する3人の音楽家(ヴァイオリニスト:北門郁子、クラリネッティスト:ベアトリス・ロペス、ピアニスト:服部慶子)により、一昨年結成された。

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2006/03  モーツァルテウム音楽大学情報誌
「UniArt」 3月号 「Erfolge」より

北門郁子さん(ヴァイオリン、イゴール・オジム教授クラス在籍)が、2005年12月イタリア・ニケリーノにて行なわれたマルコ・フィオリンド国際音楽コンクール室内楽部門で、ベアトリス・ロペスさん(ブランドホーファー教授クラス在籍)と服部慶子さん(ケマーリング教授クラス在籍)と共に、第1位を受賞しました。

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2006/02  音楽雑誌「音楽の友」 2月号
MINI NEWS 「コンクール/受賞」より

「第7回ヴィナロス国際室内楽コンクール」

11月6日までスペインのヴィナロスで行われた同コンクールで、北門郁子(vn)、ベアトリス・ロペス(cl)、服部慶子(p)の「Pamina Trio」が優勝した。北門と服部はともに東京芸大卒。メンバーの3人は現在、ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学に在学している。

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2006/02  音楽雑誌「ムジカノーヴァ」 2月号 
News&Events 「受賞」より

「第7回ヴィナロス国際室内楽コンクール」でPamina Trioが第1位

2005年11月4日~6日スペインのヴィナロスでおこなわれた第7回ヴィナロス国際室内楽コンクールで、Pamina Trioが第1位を獲得した。このトリオはザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学に在籍する3人の音楽家(ヴァイオリニスト:北門郁子、クラリネッティスト:ベアトリス・ロペス、ピアニスト:服部慶子)により、一昨年結成された。

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2006/02  音楽雑誌「ショパン」ウェブサイト 「News」、
音楽雑誌「ショパン」2月号 「くろすろーど」 Newsより

第7回ヴィナロス国際室内楽コンクール Pamina Trioが第1位

昨年11月4日から6日にかけて、スペインのヴィナロスでおこなわれた第7回『ヴィナロス国際室内楽コンクール』において、Pamina Trioが第1位を受賞した。
Pamina Trioは、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院に在籍する音楽家3人(ヴァイオリンの北門郁子、クラリネットのべアトリス・ロペス、ピアノの服部慶子)が集まって結成されたアンサンブル。
オーストリア国内ではすでに、国際モーツァルテウム財団ヴィーナーザールやフローンブルグ城コンチェルトザール、聖ペーター教会付属口ーマニッシャーザールなどで演奏会を重ねている。
今回トリオとしてはコンクール初参加ながら、第1位を受賞。副賞として音楽祭出演やスペインでのコンサートツアーの機会が与えられ、ヨーロッパでの演奏活動の幅が広がっていくことを、一同大変うれしく思っているそうだ。
弦、管、ピアノという異色の楽器編成。それぞれの特色を活かし、ゆたかな響きを生みだすトリオとして、今後ますますの活躍を期待したい。

URL: http://wttv.jp/chopin/topics/news.html

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2006/01  モーツァルテウム音楽大学情報誌
「UniArt」 1月号 「Erfolge」より

北門郁子さん(ヴァイオリン、イゴール・オジム教授クラス在籍)が、クラリネット:ベアトリス・ロペスさんとピアノ:服部慶子さんと共に、第7回ヴィナロス国際室内楽コンクール(スペイン)において第1位を受賞しました。3人はコルデリア・ヘーファー=トイチュ教授クラスで室内楽を学んでいます。

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2005/12  音楽雑誌「ショパン」 12月号
「コンクール速報!」より

9月12日から9月24日にドイツのケルンで開催された第8回ケルン国際ピアノコンクールにおいて、服部慶子さんがファイナリストおよび最優秀モーツァルト演奏者に贈られる特別賞を受賞した。

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2005/12  音楽雑誌「音楽現代」 12月号
「告知板」より

「第8回ケルン国際ピアノ・コンクール」

9月12日~24日までケルンで開催されていた第8回ケルン国際ピアノコンクールで、服部慶子さんがファイナリスト及び最優秀モーツァルト演奏者に贈られる特別賞を受賞した。服部さんは東京芸大を卒業後、ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学演奏家課程に在籍しながら、ヨーロッパ各地で演奏活動を展開している。

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2005/12  音楽雑誌「音楽の友」 12月号
ミニニュース「コンクール・受賞」より

「第8回ケルン国際ピアノ・コンクール」

9月24日までケルンで行われた同コンクールで、服部慶子がファイナリストとなり、モーツァルトのピアノ協奏曲の最も優れた演奏に対して贈られる特別賞を受賞した。服部は東京芸大卒、現在、ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学演奏家課程に在学。

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2005/12  音楽雑誌「ムジカノーヴァ」 12月号
News&Events 「受賞」より

「第8回ケルン国際ピアノ・コンクール 第3位に奥村友美さん、特別賞に服部慶子さん」

9月12日~24日ドイツのケルンでおこなわれた「第8回ケルン国際ピアノ・コンクール」で本選に日本人2人が残り、奥村友美さんが第3位、服部慶子さんが最優秀モーツァルト演奏者に贈られる特別賞を受賞した。(中略)服部慶子さんは東京藝大卒、現在ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学演奏家課程に在籍。

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2005/11 www.vinaros.net ウェブサイト
第7回ヴィナロス国際室内楽コンクールでのPamina Trio優勝についての記事

パミーナ・トリオ(ベアトリス・ロペス、北門郁子、服部慶子)がヴィナロス市オーディトリアムで開催されたこの第7回ヴィナロス国際室内楽コンクールの覇者となった。受賞式の後、この受賞したトリオの演奏が披露された。(中略)審査委員長でありヴァレンシア高等音楽院長でもあるヴィンセント・カンポス氏は受賞式の際、コンクール参加者たちのレベルの高さに選考が難航したことを強調した。受賞式にはヴィンセント・カンポス氏、ヴィナロス副市長、審査員カルロス・コル氏らが出席した。

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2005/09 Koelner Stadt-Anzeiger
第8回ケルン国際ピアノコンクール受賞者記念演奏会を評して

・・・このコンクールにおいて自発的かつ匿名により出資された最優秀モーツァルト演奏者に贈られる特別賞の受賞者として、日本人ピアニスト服部慶子さんの演奏は、卓越したアサセッロ・カルテットと共に陽光を行き渡らせるようだった。・・・

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2005/09 Koelner Stadt-Anzeiger ウェブサイト
第8回ケルン国際ピアノコンクール受賞者記念演奏会を評して

・・・セミ・ファイナルでの弦楽四重奏の伴奏によるモーツァルトのピアノ協奏曲は、コミュニケーション能力を一番試されるものであった、とケルン国立音大学長代理及びコンクールのアーティスティック・ディレクターであるクラウス・カンギーサー氏が説明した。(中略)最優秀モーツァルト演奏者に贈られる特別賞を受賞したのは服部慶子さん(26歳)であった。この日本人ピアニストは共演したアサセッロ・カルテットと同じく質の良い室内楽能力を発揮した。・・・

Marianne Kierspel氏)

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2005/03  Suedkurier 紙
若い巨匠のためのリンダウ国際音楽祭
メーアスブルク(ドイツ) ノイエス・シュロス(城)シュピーゲル・ザールでのリサイタルを評して

「見事なピアノ演奏会」

・・・彼女が演奏した、ベートーヴェンのスリリングかつ表情豊かなファンタジー Op.77には、彼女の格調高い情熱が伴っており、その情熱は彼女の瞑想的な姿勢においても表出されていた。そして、彼女は、自由に彷徨う暗中模索の音楽の後で、柔らかく夢見心地であるロ長調メロディーの変奏の数々を、幽玄精妙な天上の響きのベールで被った。素晴らしい芸術家による、素晴らしい夜の演奏会であった。

(Gabi Rieger氏)

URL: http://www.konzertverein.com/
ema_klavier_presse2005.html

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2004/08  音楽雑誌「ショパン」 8月号
新着トピックスより

「第17回シューベルト国際音楽コンクール 服部慶子が第1位に 」

今年5月末にイタリアのラッコニージでおこなわれた第17回シューベルト国際音楽コンクールで、日本の服部慶子が1位に輝いた。 このコンクールはピアノソロ、リート・デュオ(声楽とピアノ)、室内楽の3部門からなっており、今回服部は全部門を総合しての優勝。
優勝したことについて「これからもシューベルトの作品の研究を通して彼の芸術の旅を共有していきたいと考えています。将来的にはピアノを含む全作品の演奏を目標に取り組んでいくつもりでいます。私の演奏を本当に必要としてくれる聴衆のために心を込めて演奏できることは幸せです」、と語る。
服部慶子は東京藝術大学音楽学部を卒業、オーストリア在住で、ザルツブルグのモーツァルテウム音楽大学で研鑽中。